来て!観て!松本『彩』発見 歴史と伝統の城下町松本。のどかな田園風景安曇野。そびえたつ雄大なアルプス。自然と文化に彩られたまつもと地域の情報を、松本地域の県職員の発見を織り交ぜつつお届けします。 面白いこと新発見、知ってる人にも再発見、何だこれはの珍発見。当たり前だと思っていたことから、ローカルなことまで職員の発信する情報をお楽しみください。

来て!観て!松本『彩』発見

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地域の知恵袋【長野県梓川土地改良区理事長 井口謙司さん】

 今回の知恵袋インタビューは、長野県梓川土地改良区の井口謙司理事長です。
「農業用水を取水から末端の農地まで安定かつ公平に供給することが土地改良区の使命。」
と語る井口理事長に、現状における課題や将来への思いなどをお聞きしました。


 梓川土地改良区は、水田約3,800haに農業用水を供給し、組合員は約6,300名に上ります。
 地区面積及び組合員数共に県下最大規模の土地改良区です。
「梓川土地改良区は、かつて5,000haの水田がありましたが、近代の開発等により今は3,800haまで減少しています。しかし、農地面積や農家数は減少しても維持すべき用水路は1mたりとも減ってはいません。農家の高齢化、後継者不足は深刻で、今後どうやって用水路を維持していくのか・・・。土地改良区として真剣に考えていかなければなりません。」
「しかも、用水路の多くは老朽化しています。水路を改修するには農家の負担金が必要になりますが、現在の農業情勢では負担を求めるにも限度があります。」
と、水路を維持する上での課題を語ります。

「そこで、土地改良区が管理する水路を活用した『小水力発電』に期待しています。発電による売電収入を水路改修に必要な農家負担金の代替財源とすることで、水路改修を計画的に進めることができます。しかも、小水力発電の適地がたくさんあるんです。」
と課題解決の切り札として、既存の水路を活用した小水力発電に期待されています。

「農業用水は古くは生活用水としても使用され、生活に密着したインフラでした。しかし、『土地改良区を知らない』と言う人が多いんです。これは私たち関係者が広報を怠ってきた結果であり反省しなければいけません。」
「最近になって『水は流れてきて当然』と思われている節もあるんです。水路が整備され用水の確保に苦労することが無くなって良かった半面、水を守ることの大切さをこれまで以上に広報していかないといけない時代になってきました。」
と地域に密着した農業用水であってほしいとの想いを語ります。

 ここで、一枚の絵を見せていただきました。

 拡大すると・・・

 これは、松本市和田にある農業用水を送るためのポンプ場の壁に飾られている絵です。
「これは、地元中学校の美術部の生徒さんに描いていただいた絵でコンパネ9枚分の力作で、タイトルは『松本の四季』といいます。大切にしたいです。」
美術部の皆さんには、水路事故の防止を呼び掛ける看板も描いていただいたそうで、地元の生徒さんの協力に心から感謝されていました。

 結びに「現代の日本は、何でも貨幣に換算して価値を語りますが本当にそれでよいのでしょうか。農村風景や農作業により得られる満足感はお金では評価できませんよ。それと、水路管理の共同作業もそうですが、農村の集落機能は多くの兼業農家により支えられている現実を見てほしいですね。」
と農村の価値を評価するとともに、集落機能の維持の重要性を語られインタビューを終えました。

 農業用水は、あらゆる農産物を生産する上で欠くことのできない「命の水」ともいえます。
 米も野菜も果物も、計画的な「かんがい」によって生産されているのです。
 今回のインタビューで「用水は流れてきて当たり前、そう思う人がだんだん増えているんですよ。」
と語る井口さんの表情が忘れられません。

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