2012.06.28 [■四季彩だより~信濃の国から~]
<VOL.186>四季彩だより~信濃の国から~
上田市の別所温泉地区において、今年も「岳の幟」が行われます。
「岳の幟」の祭りは、室町時代の永正元(1504)年の夏に起きた大干ばつの折、夫神岳(おがみだけ)に雨乞いをしたのが、その起源と言われています。
500年以上続くこの祭りは、平成9年12月4日に国の選択無形民俗文化財に指定されました。
今年は、7月15日(日)に行われます。
祭り当日の未明、地区の人々が長い青竹と反物(たんもの)を抱えて夫神岳に登り、山頂にある九頭竜神(くずりゅうじん)を祀った祠(ほこら)の前で、焚き火をしながら日の出を待ちます。
日の出とともに祠に反物を供え、神職が祈祷した後、竹竿に反物をくくりつけた行列が練り歩きながら山を下ります。
行列が別所の温泉街まで練り歩いてくると、石湯・大湯・あいそめの湯の前で、笛や太鼓に合わせて、子どもたちによる「ささら踊り」や獅子舞が一行を出迎え、奉納されます。
その後、行列は別所神社まで練り歩き、祭りは終わります。
みなさん!ぜひ500年以上も地元の人々によって、脈々と守り伝えられてきている“力強さ”と色とりどりの反物が風にはためく“優雅さ”を兼ね備えた祭りをご堪能ください。
(前山寺の三重塔)
また、別所温泉のある塩田平は、「信州の鎌倉」と呼ばれ、信州を代表する古刹・名刹が凛とした姿で、訪れる人を迎えています。
前山寺には、「未完成の完成の塔」と呼ばれる有名な三重塔(重要文化財)があります。
塔というものには、各層に縁(えん)と勾欄(こうらん)がついているのですが、この塔は一層だけにしかないのです。
なぜ、一層だけなのか?・・・それは想像してみてください。
(安楽寺の三重塔)
信州最古の禅寺である安楽寺にある木造八角三重塔(国宝)は、日本で唯一の木造の八角塔で、上品さと華やかさを兼ね備え、安定感のあるその姿は、訪れる人の心を魅了しています。
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