楽園信州

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<VOL.215>四季彩だより~信濃の国から~

城下町に福を求めて ~高遠だるま市~(伊那市)

厳しい寒さが続く中、1月17日配信のメルマガ213号で紹介しました諏訪湖の「御神渡り」が今年も出現し、25日に拝観式が行われることになりました。
さて、ゆるむ気配のない寒さが身にしみる毎日ですが、今回は城下町に縁起物の「福だるま」を求める人々で賑わう“だるま市”の紹介です。


(静かな城下町に活気みなぎる だるま市)


(さあ! 買った 買った!)

長野県の南部の伊那市高遠町は、戦国時代から続いた城下町で、静かな佇まいを見せています。
春には“タカトオコヒガンザクラ”が覆い尽くす桜の名所「高遠城址公園」があり、全国から多くの花見客が訪れ、賑わいます。
春の桜で有名な高遠町ですが、毎年この時期に開かれるのが「高遠だるま市」です。

このだるま市は、毎年2月11日(旧暦正月14日)に、町内にある鉾持神社(ほこじじんじゃ)の五穀豊穣を祈る祈年祭(としごいのまつり)に併せて行われ、約400年の歴史があると言われています。

鉾持神社は藤原時代の中頃、高遠の地に勧進され、鎌倉時代に現在の場所に移されたそうで、その時、土中から「鉾(ほこ)」が出てきたことから、鉾持神社と名づけ、その鉾を御神体として祀ったと言われています。

2月11日の当日は、朝早くから神社の参道を中心に縁起物の「福だるま」が露店が立ち並び、白い息を吐きながら威勢の良いかけ声で、客を呼び込んでいきます。

訪れた人たちは、商売繁盛、家内安全、合格祈願など様々な“福”を求めて、じっくりと“だるまさんとにらめっこ”して、これは!と決めただるまを買って行きます。
口をへの字に結んだだるまの顔とは違って、みんなニコニコの“福がお”になっていきます。

当日は、だるま以外の縁起物の露店や屋台もたくさん立ち並び、普段は静かなこの時期の城下町もこの日だけは、福を求める老若男女で賑わいを見せます。


(どれにしようか・・・? だるまさんとにらめっこ)


(見事な出来栄えに感心するばかり!)

そして、このだるま市のもう一つの楽しみが、毎年、各町内会などがこの日のために制作した手づくりの人形コンクール。

手づくりというものの、見事な出来栄えの人形が勢揃い。
アニメのキャラクターや歴史の一場面を再現した様々な人形が、だるま市に華を添えます。

だるまを抱えた人もこれから買う人も、町内の通りに置かれた人形に足を止めて、出来栄えを評価したり、写真に収めたり・・・

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