2013.02.14 [■四季彩だより~信濃の国から~]
<VOL.217>四季彩だより~信濃の国から~
今日はバレンタインデー!
「本命チョコ」は言うまでもなく、「義理チョコ」、「友チョコ」、はたまた「逆チョコ」、「自分チョコ」まで、さまざまなチョコレート達が全国津々浦々で大騒ぎ!
私にはどれがやって来るのかなぁ!?・・・“チョコっと”楽しみです。(本命は絶対あり得ませんが・・・)
さて、今回はそんな巷の喧騒とは無縁な、静寂の中に佇む寺院の紹介です。
(静かに冬の訪れを待つ光前寺)
長野県の南部に位置する駒ヶ根市は、木曽駒ケ岳(中央アルプス)の麓に広がり、東に南アルプス、西に中央アルプスを望むことができ、年間を通じて多くの観光客が足を運んでいます。
この駒ヶ根市の山懐に、信州を代表する古刹「光前寺(こうぜんじ)」が杉の巨木に囲まれながら創建から1,100年以上の時を静かに刻んでいます。
光前寺は、本聖上人(ほんじょうしょうにん)によって、今から1,153年前の貞観2(860)年に開かれた天台宗の別格本山の寺院で、古くは武田家や羽柴家の保護を受け、特に江戸時代には、徳川家から地方寺院としては破格の60石の寺領と10万石の大名格を与えられ隆盛を極めました。
(蝉しぐれが降る注ぐ三重塔)
(雪の三重塔と早太郎の石像)
現在でも弁天堂(国重要文化財)や三重塔(長野県宝)など多くの堂塔を備え、南信州随一の祈願霊場として県内のみならず、全国から広い信仰を集めています。
本尊の不動明王は秘仏とされ、7年に一度行われる御開帳の時のみ、その姿を拝観することができます。
光前寺には古くから光苔(ひかりごけ)が自生しており、参道脇の石垣の隙間や本坊客殿の縁の下の一部で美しい神秘的な光を放っています。季節や天候によって見え方が違う場合もあるため、きれいに見えた時は本当に感動ものです!!
(本堂に安置されている早太郎の木像)
さて、光前寺には早太郎(はやたろう)という犬がいます。
と言っても、実際に飼われているのではなく、“伝説”としてこの地に生きています。
今から約700年ほど前に光前寺で飼われていた早太郎(山犬)が、遠州府中(現:静岡県磐田市)の見付天神社の祭りで、毎年、村の娘をさらっていく怪物(大きな老ヒヒ)と戦いこれを退治したというものです。
本堂の横には早太郎の墓があり、今でも多くの参拝客が“霊犬早太郎”にそっと手を合わせています。
〔霊験早太郎伝説〕
http://www.kozenji.or.jp/ct/hayatarou.html
樹齢数百年にも及ぶ杉の巨木がそそり立つ境内は、四季を通してさまざまな姿で訪れる人の心を癒してくれます。
特に桜の季節、70本程の枝垂れ桜が境内を埋め尽くす光景には心が洗われます。
築山式の枯山水庭園や池泉庭園などもあり、現在、境内全域が国の名勝に指定されています。
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