楽園信州

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<VOL.226>四季彩だより~信濃の国から~

秘境に暮らす人の温もり ~遠山郷 下栗の里~ (飯田市)

4月21日(日)、長野県内は北部・中部を中心に雪降りとなり、長野市内でも4cmの積雪が記録されました。この時期に雪が降るなんてびっくりです!?
散り始めの桜をはじめ、チューリップ、スイセンなどなど、みんな雪をかぶっている光景はなんとも不思議な感じがしました。
さて、今回は、のどかな春に包まれた信州の秘境の里の紹介です。


(秘境「下栗の里」の春は、ゆったりと・・・)


遠山郷は、長野県の最南端、旧南信濃村・上村(共に現飯田市)に位置する天竜川の支流である遠山川に沿って広がる山深い谷間の地域で、「日本の秘境100選」の一つに数えられています。
急峻な山肌と独特の気候風土に育まれた歴史文化や食文化などが、そこに住む人々によって今なお脈々と受け継がれており、国の重要無形民俗文化財に指定されている「遠山の霜月祭」は有名です。


(急傾斜地での暮らし)

この遠山郷に“日本のチロル”とも呼ばれる秘境の里「下栗の里」があります。

南アルプスを望む飯田市上村の標高800~1,000mに位置し、最大傾斜38度という急傾斜地に耕地や家屋が点在する里は、まさに日本の原風景そのものなのです。

景観の美しさ、自然と暮らしの調和などが、オーストリアのチロル地方に似ていることから、東京学芸大学名誉教授の市川健夫氏(長野県出身)により「日本のチロル」と命名された経過があります。

南アルプスを望む景観も素晴らしく、昭和43年にこの地を訪れた百名山登山家の深田久弥氏は、自らの著書で「下栗ほど美しく平和な山村を私はほかに知らない」と書いており、平成21年には「にほんの里100選」にも選ばれています。

里では、イモ類、雑穀類(ソバ、ヒエ、アワ、キビ等)や豆類などが急傾斜地の畑で作られています。(バランスを崩すと転がり落ちてしまいそうな感じ・・・)


(素朴な味が忘れられません)

特に下栗で作られているジャガイモは、「下栗イモ(二度イモ)」と呼ばれ、知る人ぞ知る下栗を代表する特産品です。

普通のジャガイモよりは小振りで、甘味とデンプン値が高く、煮込んでも煮崩れしない特徴があり、特有の旨味はこの土地の土でしかできないとされています。

かつては年2回収穫できたことから「二度イモ」とも地元では呼ばれています。

この下栗イモを茹でて串に刺し、えごま味噌やくるみ味噌、ねぎ味噌などをつけて炉端焼きしたものがイモ田楽で、ホクホクの食感と香ばしい味噌タレが、一度食べたら忘れさせません。
平成14年には、長野県選択無形民俗文化財に指定されました。


(紅葉に包まれた秋の風景)

都会の喧騒とは無縁の秘境の里“下栗”
里をはじめ、遠山郷には宿泊施設や温泉施設もあり、郷土色豊かな食材を使った料理や温泉が、日頃の疲れを癒してくれます。
春の光と風の中、日がな一日、ゆっくり、のんびり、まったり 過ごしてみてはいかがでしょう♪~
素晴らしい景色とそこに暮らす人々の温もりが心の隅にいつまでも残ります。

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