楽園信州

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<VOL.227>四季彩だより~信濃の国から~

五月の岡谷は“ツツジ晴れ” ~ 鶴峯公園 ~ (岡谷市)

ゴールデンウィークも終わりました。
皆さんどちらへ出かけられましたか?・・・家族と一緒に、渋滞も一緒に!?
“10連休”となった人もいたのではないでしょうか!?(私は暦どおりでしたが・・・)
野山の木々も一段と緑の濃さを増し、五月の空に吹きわたる風もさわやかな季節となってきました。
さて、今回は、色とりどりのツツジで包まれる公園の紹介です。


(中部日本一のツツジの名所)


岡谷市は、長野県のほぼ中央に位置しており、諏訪湖の西岸に面し、東には八ヶ岳連峰、遠くには富士山を望むことができる、湖と四季を彩る山々に包まれた風光明媚な市です。
明治時代から昭和初期にかけて日本の近代化を支えた生糸の都「シルク岡谷」としてその名を馳せ、戦後は「東洋のスイス」と言われる精密工業都市として発展してきました。

この岡谷市に、中部日本一のツツジの名所として知られる「鶴峯(つるみね)公園」があり、この季節、その美しさを堪能しようと多くの観光客が訪れます。


(ツツジで埋め尽くされた公園)


(毎年ツツジ祭りも開催)

鶴峯公園は、片倉製糸の創立者である片倉兼太郎が、国際商品である生糸を作る者には義務教育が必要と考え、大正6年に現在の公園の場所に私立の片倉尋常高等小学校を開設したところから始まります。

昭和4(1929)年、この地に初代片倉兼太郎の銅像が建てられるとともに、公園として整備され、鶴峯公園と名付けられました。その後、昭和10(1935)年に川岸村(現在:岡谷市川岸)に寄付されました。

・・・と、ここまでは普通の話なのですが、ここから面白いエピソードが始まります。

村では寄付を受けた記念にツツジを植えることにし、ツツジ300株を購入したところ、業者の勘違いで、なんと!貨車3台分ものツツジが届いてしまったのです!!
そのツツジの量に村中が大騒ぎとなりましたが、返品もままならず、村中総出で手分けをして植え付けたそうです。
鶴峯公園は、業者のこの“勘違い”から生まれたツツジの名所なのです。
今では中部日本一のツツジの名所となり、30余種、約3万株ものツツジが山を覆い、赤、白、ピンク、紫と咲き誇り、公園はこの時期、一年で最も華やいだ雰囲気に包まれます。
また、この公園は、近代化産業遺産の一つにもなっています。


(よく手入れされたツツジ達)

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