2009.08.27 [木曽エリア]
Vol.54■木曽路はすべて山の中~木曽十一宿を巡る
青色に染まる風情ある妻籠の夕暮れ
ご存知の通り、江戸と京を結ぶ中山道。
その一部、木曽川に沿った渓谷をゆく「木曽路」は難所も多く、信州にも縁の深い島崎藤村が自身の代表作である「夜明け前」の冒頭で「木曽路はすべて山の中」と記しているのも有名ですよね。
そんな木曽路の要所や難所のそばには「木曽十一宿」と呼ばれる11もの宿場町があり、どこも往来する人々で賑わっていたそうです。
(ちなみに藤村が生まれたのは馬籠宿)
人々の集う場所には文化が育まれるもの。
十一宿には、二階が街道側に張り出た出梁造り(だしばりづくり)や、竪桟(たてざん)を通常より狭く組んだ堅繁(たてしげ)格子の窓の建物、卯建(うだつ)が続き石畳が敷かれた美しい町並みが出来上がっていました。
鉄道や道路の発展にともなって、宿場町はその役割を終えたのですが、塩尻市の奈良井宿、南木曽町の妻籠宿、岐阜県中津川市の馬籠宿などの景観は保存・修復され、昔のままの姿を今にとどめています。
それでは、「奈良井宿」と「妻籠宿」についてご紹介しましょう。
■街道一の賑わいを見せた奈良井宿
木曽路最大の難所と言われる鳥居峠の北に位置するのが奈良井宿。
約1kmにわたる宿場町の様子は、当時「奈良井千軒」と謳われたそうです。
今も、千本格子や猿頭(さるがしら)と呼ばれる波打った桟木を張った庇(ひさし)など、この地独特の造りを残した町家が連なり、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているだけでなく、現在も多くの人々がこの地で生活を営んでいるんですよ。
そば屋さんや喫茶室、木曽の工芸品が並ぶお土産屋さんもいっぱいありますが、
上問屋(手塚家)資料館や楢川歴史民族資料館など、昔の様子がより詳しくわかる施設も充実しています。松本などからもアクセスしやすいのもうれしいですね。
■江戸時代の町並みが残る妻籠宿
中山道と飯田街道の分岐点に位置し、南北に伸びるように広がる谷間の宿場町の妻籠宿。
十一宿の中で最も昔の面影を残しているといわれています。
町中には、手作りならではの温もりが伝わってくる工芸品屋さんなどがぎっしりと立ち並び、当時の様子がしのばれます。
お土産にしたい木工品はよりどりみどり。なぜか下駄が隠れた人気商品だとか。
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