2011.06.23 [コラム]
Vol140■信州「しゃべり手」リレーエッセイ【1】
長野県を代表するアナウンサーやパーソナリティーの皆さんに、信州の魅力を語っていただくシリーズの第1回目。
今回は、SBCの坂橋克明(さかはし かつあき)パーソナリティーです。
坂橋克明パーソナリティー
日本には、四季折々の美しさがあります。とりわけ、季節によってその表情をはっきり変えるのが「信州」。南北に長くて広い信州には、それぞれの地域にそれぞれの豊かな表情があります。
そんな信州では、言葉や食をはじめ、地域による様々な風習・文化の違いを今更ながらに再発見することがしばしばです。
その地域の色をそこに住む人々が自らの言葉で語る。「この間、言っとっただに?」「そうずら!」「誰おめぇ…」。飾らない地方の言葉は、彩り豊かにその暮らしを浮き彫りにします。
【ニラせんべい】に【ねぎダレおでん】…、自分が暮らしてきた地域では馴染みのないグルメが、まだまだ県内にはたくさん埋もれていることに、驚きを新たにすることもあります。
にらせんべい
ところで、信州でよく使う言葉、「ずく」。私の番組のタイトルにも使っていますが…。
「これ、どういう意味ですか???」と、県外の方からこれまで何度も聞かれました。でも、やはりこの言葉は訳しようがないです…よね。
「ずく」。
『~する意欲』『根気・やる気』…色々言ったところで、やはりしっくりこないですよね。「ずく」は「ずく」でしかないですよね!
この「ずく」を使いこなせてこそ「信州人」でしょう。
“トークは口でなく、魂で喋るもの”の精神で頑張ってます!
雪に囲まれる時期には、暖を取りながらじっくり家の中で考え、緑あふれる季節になったら、それを着実に実践する。そして、その達成感を贅沢なほどの実りで祝う。古来から繰り返されてきたそんな信州人の営み。
「ずく」を惜しまず物事に向かう、それが信州人の礎(いしずえ)です。信州人の慎重さと大胆さは豊かな自然に育まれたものでしょう。
パワースポットばやりの昨今ですが、信州人にはそれぞれのソウルスポット(魂の場所)があるはずです。
雄大なアルプス、信じられないほど美しい上高地、日本の原風景を残す安曇野…心の充電にはうってつけの場所が数多くあります。
そして私には、必須の「善光寺」。そのお膝元で生まれ育った人間には、いつも包んでもらっているような「温もり」が感じられ、それは何よりも心の安らぎとなります。
子供の頃からの思い出がたくさん残る「善光寺」界隈と「城山公園」
それぞれの文化と豊かな自然と共にある信州人の暮らし。
これからもその贅沢なほどの自然を見守り、生かし生かされていきたいものです…「ずく」を惜しまずに。
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