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Vol63■信州のワイン 歴史は桔梗ヶ原にあり


信州のワインの産地といえば、まず塩尻の名が上がりますよね。

日本を代表するワイン産地の一つとなった長野県。近年のJapan Wine Competition(国産ワインコンクール)でも、長野県産が入賞の多くを占めるなど、国内外で評価が高まっています。
その中でも特に、塩尻市は8つのワイナリーがあり、ワインづくりに古くから取り組んできました。



県下有数のぶどうの産地であり、地元産ぶどう100%の塩尻ワインが醸造される桔梗ヶ原。観光農園やワイナリーも多く、シーズンには多くの人が訪れる人気のスポットです。


塩尻市の北西、標高700メートルの北アルプスの裾野に広がる桔梗ヶ原

しかし、もともとこの地は、寒さが厳しく、農業には向いていなかったため、今では想像もできないような荒れ地だったそうです。
それがどのようにして、今のような一大ワインぶどうの産地に生まれ変わったのでしょうか???


■塩尻ワインの誕生
塩尻ワインの祖と言われるのが、豊島理喜治。
明治23年、理喜治は桔梗ヶ原で30種類の果樹栽培を始めました。多くのぶどうは寒さに弱く、冬を越せなかったのですが、アメリカ系のブドウは寒さに強く、また、日照時間が長いなど原産地の気候と似ている塩尻の地での栽培に成功しました。
そのブドウとは、白ブドウのナイアガラと赤ブドウのコンコードの2品種。
これこそ塩尻ワインのルーツです。


華やかな果実香とまろやかな甘さが特徴のナイアガラ

理喜治はこの2品種を中心にブドウの栽培面積を広げ、明治30年にワインの醸造を試みました。
その理喜治の姿に刺激を受けて果樹栽培をする人も増え、発展してきたのです。 

■塩尻ワインの発展
昭和初期には、大型のワイナリーが誘致され、ぶどうの生産量・品種が増えるとともに、様々なワインが生まれました。
現在では、ナイアガラやコンコードの他にも、シャルドネ、メルローなどといった多くの品種が栽培されています。
塩尻のワインづくりの根底は、ぶどう農家とワイナリーの間の「強い信頼関係」と「高品質のブドウからこそ素晴らしいワインができる」という共通の理念。

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