信州魅力人

信州の魅力、それは長野県内で頑張るつくり手たちの魅力。そんな魅力人の想いをお伝えします

長野県魅力発信ブログ > 信州魅力人 > シナノ(佐久市)代表取締役 柳澤光宏さん > グローバルな視点で世界市場へ 中国でも販売「メイドイン長野」ポール

グローバルな視点で世界市場へ 中国でも販売「メイドイン長野」ポール

バットの金属音と、野球部員の掛け声が響くグラウンド。
シナノの本社工場は、高校野球や駅伝で全国的にも有名な佐久長聖高校のすぐとなりにあります。

案内された生産工場では、昔ながらの方法で金属の棒からストックやステッキを作り上げていました。シナノの開発ポリシーは「いかに楽しく、安全に使ってもらうか」。
設備はローテクかも知れませんが、最先端企業にも引けをとらない新商品の開発を続けています。

長野県のすごいものづくりとそこに関わる人物の魅力をご紹介する「新・信州魅力人」。スキーポール(他の製品もスゴイ!)のシナノ柳澤光宏社長の3回目です。

―今年もドイツの展示会に出展されるんですね。

画像1

過去2年間も出展はしていたんですが、これまでは他の出店者のブースを「間借り」するカタチで展示していました。
今年は、自社で独自の展示ブースをつくります。「シナノの商品を世界へPRしたい」ということで展示方法を大きく変えました。



―「本気の度合い」がこれまで以上ということですね。世界に売りたい商品、ドイツに持っていくのはスキー用品ですか?

画像2

スキーのストックと、登山用のストックです。
今回、世界にアピールしたい商品は「グリップ」に特徴があります。
日本では当たり前になっていますが、カタチがより握りやすいようになっている。今回はオリジナリティーがあるものだけを持っていきます。
過去の2年間の反省を生かしているんです(笑)
これまでは、あれもこれも持っていってしまった。今回は、見た目に特徴のあるものを展示してアピールする。「一点突破」です。

―世界に売っていく…ということでは、日本のブランド力、長野のブランド力も含め、シナノの製品が世界でも受け入れられる可能性が大きいということですね。

はい、そう思っています。
これまで2年間やってきてある程度好感触でした。シナノのポールのように独自のものは世界にも無い。
それに「メイドインNAGANO」という部分で、オリンピック開催地として世界でも知名度があります。「会社はどこですか?」「長野です」「長野ってどこですか」「長野オリンピックをやったところですよ」とすぐに理解してもらえる。
ここから世界にビジネスチャンスが広がるつながりができると思っています。


シナノは66年の歴史があります。
1946年、信濃産業として設立し、スキーポールや木工製品の製造をはじめます。
1968年に現在の社名に改め、SINANOはスキーヤーなら誰もが知るブランドになりました。

1990年代をピークに、スキーストックは減少を続けます。1998年、上越市の有沢製作所との合弁会社となったシナノは、1999年に歩行補助用のステッキ製造をはじめました。


―今までは60年間以上、国内販売が中心だった。世界という市場は魅力的ですか?

画像3

ジャンルによって違いますが、スキーが全世界的に伸びているかといえば、そうではないんです。日本ほどは落ち込んでいない、というレベルです。
ただ、私は、とにかくチャレンジしてみたいと思っています。
ダメだったら他の方法を考える(笑)
実は、スキーストックについては過去に輸出したことがあります。もう一度世界にトライしたいと思います。

輸出ということで言えば、高齢者用の杖は、中国への輸出を始めました。これにも力を入れていきたいと思います。

―杖が中国で売れるんですか?

ええ、売れます。
中国は報道されている通り、裕福な方の絶対数が多いんです。
弊社の杖は2万円~2万5千円。高価な価格帯だと思います。日本では百貨店でも売られています。日本で売られていると、中国の百貨店から「日本で売られているものが欲しい」というニーズがあります。

―課題は?

流通をどうするかとか、売り場をどれだけ増やせるかとか。私たち一企業だけでは何とかしがたい現状はありますが、ニーズがあるのでそれでも上手くいくと思います。

―あとは「売り方」の問題ですね。柳澤さんは、社長になられたばかり。これからどうやってグローバル企業としての「新生シナノ」を引っ張っていくのですか?

画像4

特に、大きく変えるものは無いと思っています。
先代からやってきているものは、脈々と引き継いでやってきていますし、ただ、社員には、もうちょっとグローバルな視点で物事を見てほしいとは言っています。



―「グローバルな視点」を養うために具体的に何か取り組んでいますか?

中国展開も含め海外関係の仕事は、専務時代から私が担当してきました。これまでは私自身が担当する事が多かったんです。

現在は、なるべく社員を巻き込む形でやっています。
たとえば来週のドイツの展示会は、20代の若手社員がやっていますし、中国については弊社の営業部長が中心に動いています。

―本当に失礼な言い方ですが…長野県の片田舎でつくられた商品が、どんどん世界へ出ていくのはすごい。日本でつくる、長野県でつくることにこだわりはありますか?

しっかり管理できていれば、最終的にどこでつくっても同じだと思います。ちゃんと教えれば、どこでもものはつくれると思うんです。
いずれ海外でやっていくために、長野でつくる品質を維持した上で、ブランドを定着させるのが一番大事かと思います。

―品質・ブランドという意味で、長野・日本でつくっているというのは大きいと思いますが。

特に中国ではそうですね。
メイドインジャパン=「高品質」という価値(イメージ)があるのかなと思います。

―これからの夢は?

画像5

夢は、やはり海外。
具体的な数字まで言えば、輸出額で1億円まで成長させたい。今は1000万円以下ですが、これから3年くらいで実現したいです。
海外で1億円というと、ちょうど全社の売上の1割になります。1割という数字にこだわりがあります。
だからこそ、今、挑戦をしている段階です。
例えばネット販売。中国ネット販売大手の「アリババ」を使って輸出を構築しているところですし、他にも中国では高齢者用の杖を切り口に商品展開を考えています。
中国もこれからは高齢社会になりますので、今の日本と同じように、ポールウォークも数年後には当然関わってくると思います。
世界に売っていく、というのは私の思い入れが強い部分です。

―長野で作られたものが世界中で使われる、というのは長野県民としても非常に誇りになります。ぜひ実現してください。色々とお話を聞かせてくださいましてありがとうございました。

ありがとうございました。

LINEで送る

このブログのトップへ

CLOSE