2016.03.10 [信州大学教育学部 森林生態学研究室 准教授 井田秀行さん]
ブナ林×大学准教授 vol.3
井田さんが自然や植物に興味を持ったきっかけは、小学校時代にさかのぼります。「今思えば、結構大きなきっかけだったのかも」という、そのエピソードとは?
森の楽しさを伝える“いだっち博士”として
- 井田さんはもともと、自然が好きな子どもだったんですか?
特別好きだったわけではないですね。普通に友達と野遊びをしていたくらいです。でも、小学校4年生のころの担任の先生が、割と外に連れ出してくれて。授業で校庭の樹木に名札を付けるなど、教科書に載ってないようなこともしてくれて、印象に残っています。
- そういう授業って、大人になっても覚えているもんですよね。
その先生が、外で遊ぶことも勉強につながるんだって思わせてくれたのかもしれないですね。別のそれで樹木の名前を覚えたというわけではないんですが…でも、体験は染みついている。知識を教えることではなく、方法を伝えることが大事なんだなって思います。
- 確かに…。
今の学生は、森とか植物とか、あまり詳しくないですけど、だからって知識を身につけろってことではないんです。大切なのはどう使うか。知っていることと、伝えることはまた別の話で、知識をいかに面白く伝えるかが重要です。ちょっとしたネタでいいから、2つ3つ、自然との遊び方を知っているような先生になってくれれば。
- そのために、大学ではどんなことを?
ベストな方法はまだ見つかっていませんが、まずは学生たちが楽しめるようなことをしていきたいです。「子どもの理科嫌い」って言われていますが、理科が嫌いな先生が理科を好きになれって教えるのは大変ですからね。せっかく1時間、授業の時間があるんだから楽しくやらないと。
- 学校もそうだし、学校以外でも「森を楽しむ」きっかけがあるといいですよね。
そうですよね。…例えば、どんなことができると思いますか?
- えっ、そう言われると…うーん、思い浮かびません…。
それを探したいですよね。やっぱり行ってみたいって思わせることがネックになってしまう。今、一つの方法として、あまりつながりのなさそうなところと一緒にイベントの企画をしてみています。
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