2016.03.10 [信州大学教育学部 森林生態学研究室 准教授 井田秀行さん]
ブナ林×大学准教授 vol.3
- 例えば、どんなイベントを?
最近、面白かったのは「キッズ薬膳」という、料理との組み合わせ。皆で森を散策してブナの実を集めて、料理して食べました。「旬のものを食べる」というアプローチなので、普段とはちょっと違う層の参加者が集まりました。子どもたちも里山を走り回って遊んでいたので、楽しんでもらえたと思います。
ブナの発芽
ブナの実
- 森と薬膳…ちょっと面白い組み合わせですね。
よくある観察会というと、興味がある人は来てくれますが、好きじゃない人にはちょっとハードルが高い。主催側としては安心感もあっていいんですが(笑)、来てくれる人の層を広げるしかけは、微々たるものでも考えていかないといけないですね。
- 井田さんにとっては、ちょっと「アウェイ」感があるくらいで。
そういう場だと、肩書が邪魔になったりもするんですが、子どもたちには「俺のことを先生と呼ぶな、『いだっち』って呼べ。いや、呼び捨ては何だから『いだっち博士』だ」とか(笑)。最初は大変でも、一人が呼んだら、皆もそう呼び出すものなので。
- 森の中だと、距離が縮まりやすい感じがします。
自然に助けてもらっていますね。まずは、山は山でも、里山から始めてもいいと思うんです。ドイツなどでは週末、森に行って散策するとう家族が多いんですが、信州だと、山って聞くと登山のイメージが強い。もっと身近に、気軽に、里山に行けるようになればいいなと思います。
教育学部には、あらゆる教科を専攻する学生がいて、理科、さらにその中で植物となるともともと興味を持っている学生はわずかだといいます。「そういう人たちが、学校の先生になって信州の自然を教えるというのはなかなか難しいし、伝わらない」と井田さん。自然の中に連れ出すことができれば、後は面白いことがたくさんあるはずだから-そんな思いを胸に、今日も“いだっち博士”は授業を始めます。
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