2015.05.31 [環境省長野自然環境事務所 自然保護官補佐 則武敏史さん]
国立公園の環境を、このまま未来へ引き継いでいく
上信越高原国立公園は、苗場山、草津白根山、四阿山から浅間山に至る広大な公園です。その中央部に位置する志賀高原。2011年から環境省の自然保護官補佐(アクティブ・レンジャー)として志賀高原を担当する則武さんに、さらに詳しくお話を伺います。
山頂を目指す以外の楽しみ方を
- 志賀高原の状況は最近どうですか?
志賀高原は冬のイメージが強いので、夏の利用者を増やそうと地元の人もいろいろやっています。夏は観光客以外にも、塾の勉強合宿や音楽系の合宿もあります。「総合会館98」という長野オリンピックの年にオープンした複合公共施設があり、カレッジコンサートなどの企画がされています。
大沼池で昼食中の利用者
- 則武さんが思う、志賀高原の魅力は?
志賀高原の特徴は池がたくさんあることと、湿原が多いところだと思います。高いところは2300メートルくらいで、登山コースもあれば、トレッキングコース、散策コースなど「お散歩気分」で行けるところもあって、さまざまな楽しみ方ができるのが魅力の一つです。原生的な林もあればシラカバの林もあって、車窓から眺めていても変化に富んでいて面白い。始めから歩こうと思っていなくても、車で来て、ちょっと降りて歩いてみようかという感じで楽しめます。
四十八池湿原
- 気軽に利用できるんですね。
ピークを目指さなくも、近くに自然がありますから。林、池、高層湿原、温泉もあって、宿泊施設も充実しています。ここは溶岩地形なので地形に興味がある方にとっても魅力的だと思います。山というと、つい山頂を目指すことを目的にしてしまいますが、裾野も含めて山全体と捉えてもらえれば。
- 志賀高原は「ユネスコエコパーク」にも認定されていますよね。
ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)は、生態系の保全と持続可能な利活用の調和、自然と人間社会の共生を目的にしています。「保全機能」、「経済と社会の発展」、「学術的研究支援」の3つの機能を持つ地域がユネスコエコパークとして登録されます。実は世界遺産より古い歴史を持っているのですが、まだあまり認知度が高くないかもしれません。最近は、山ノ内町が集客につなげようとPRに力を入れています。
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