2013.01.16 [ 信州大自然紀行環境保全研究所飯綱庁舎 ]
北信濃のどんど焼き
小正月の頃、家々の松飾りなどを集めて積み、それらを一斉に炊きあげて神送りをする「どんど焼き」の行事が行われます。信州では地域によって「どうろくじん」や「ほんやり」などといい、松本の周辺では「三九郎」と呼ばれます。
上の写真は、北信濃飯綱町の黒川という地域にみられるどんど焼きのやぐら(どうろく神)です。ここは北信五岳(飯綱山、黒姫山、妙高山、斑尾山、戸隠山)をのぞむ水田地帯にあり、この時期になると雪の山々を背景に集落ごとにつくられたやぐらが点在します。やぐらは「ものづくり」と称して準備します。近くの山から切り出した松を芯にして木を組み、中にまめ殻や松飾りなどを「あんこ」として入れ、周囲を稲わらで囲い、だるまなどで飾り付けをします。ここでは、一箇所にじいさんとばあさんの二体をこしらえ、その間を縄で結びます。素朴なものですが、ご覧のように火をつけるのがもったいないくらいに立派な仕上がりです。当日の朝から住民総出で「ものづくり」にとりかかり、午前中には完成、夜の7時頃に点火されます。
この日は風もなく、みるみる
うちに天に向かってまっすぐに
燃え上がりました。
興奮気味の子どもたちは竹に
結わえた書き初めをかざして、
立ち上がる炎に字の上達を託し
ます。
熾火(おきび)では、持参し
た餅やまゆ玉を焼いて食べ、
今年一年の無病息災を願い
ます。
闇の中、遠くあちこちに同
じような火の手が上がるのが
見えました。
繰り返す大自然の営みととも
に、ささやかながらも毎年行わ
れる大切な行事です。
~くずれおち なお確かなる どんどの火~
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