2009.12.24 [コラム]
Vol70■郷土の縁起物で新年を迎えよう
今年も残すところあとわずか。
今飾られているクリスマスリースが、門松やしめ縄に代れば2010年は目前です。
新年を迎えるにあたって、縁起物を用意してみませんか。
昔から伝わる、そしてこれからも伝えていきたい信州ならではのものを紹介しましょう。
■ピンクや黄色のカラフルな色合いが目を引くこの可愛らしい飾りは何でしょう?
これらは「もめん玉」と呼ばれる、もち米を原料にして、大判小判、繭玉、ダルマなどを型どり、一つずつ手焼きした〝最中(もなか)の皮〟なんです。
これを枝にぶらさげると、色とりどりの小さな灯りのようですね。
もともと養蚕の盛んな頃、長野県の北信地方の農家で、繭玉や団子を木の枝に飾って繭の収穫を祈ったのですが、後に広く五穀豊穣や商売繁盛を祈る行事として、この地方に広まったといわれています。
現在でも、長野市内を中心に年末年始にかけて販売されており、これをミズキやヤナギの枝にぶらさげて、玄関先や床の間などに飾ります。
素朴な風合いが愛らしい、のどかな風情の「もめん玉」。昔ながらの祝いの行事を、改めて暮らしに取り入れるのもいいですね。
もめん玉についてはコチラ≫(パソコン用)
■江戸時代から愛された郷土玩具
こちらの可愛らしい天神さまは、かつて郷土玩具として人気を博した松本張子(まつもとはりこ)です。
張子は、型の周りに幾重にも紙を張った後、型を取り出し彩色を施したもの。招き猫や大黒様、だるまなど縁起物の人形もこれにあたります。
天神とは菅原道真公のこと。
松本張子は江戸時代の末期(およそ1850年頃)から作られ始め、明治時代の中頃には全国的にも知られるようになったのですが、後継者不足などから徐々に廃れてしまいました。
そんな松本張子を復活させようと、信州人形研究会の大久保武雄さんが6年前から復元、製造に取り組んでいるんですよ。
鮮やかな色合いとやわらかい表情は、これこそ縁起物といった趣きを感じさせてくれます。
■お守りも忘れずに
家運隆盛や病気除けを祈るなら、木肌が白く滑らかなドロヤナギという木で作られる六角錘の護符をどうぞ。
上田市にある信濃国分寺の八日堂(ようかどう)縁日で毎年1月7日・8日に授けられるのが、この「蘇民将来符(そみんしょうらいふ)」。
各面に2文字ずつ「大福・長者・蘇民・将来・子孫・人也」の文字が書かれています。
貧しさにも負けず善行を積む伝説上の人物、蘇民将来(人の名)の名をとった全国的に有名なお守りなんです。
蘇民将来符についてはコチラ≫(パソコン用)
信濃国分寺についてはコチラ≫(パソコン用)
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