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Vol102■ Iターン信州「高原のクラフトマン夫婦」

今週、Iターンで信州に移住した方としてご紹介するのは、長野県の北部にある飯綱町にお住まいの三好毅(みよし たけし)さん・海苔子(のりこ)さん。
毅さんは「鍛鉄(たんてつ:鉄を熱しハンマー等で叩いて成形していく技法)」で看板や門扉などの大きなものから燭台や花器などの小物まで作っていて、海苔子さんはハンドメイドで帽子を作っている、“クラフトマンご夫婦”です。
お二人に信州の暮らしについてお話を伺いました。


コークス炉で真っ赤に焼いた鉄をハンマーで叩き、タガネで模様をつける毅さん。

東京生まれ茨城育ちの毅さんが、さまざまな経験を積んだなかで、「これは!」と思ったのが「薪ストーブ」でした。長野県の伊那技術専門校で溶接を学び、その後、修業に入った朝日村や埼玉県秩父のアイアンクラフト(鉄工芸)の工房で「鍛鉄」と巡り会い、現在に至ります。
「薪ストーブは森の資源を活かすことにもつながるじゃないですか。」と語る毅さん。環境への想いも薪ストーブ作りに傾倒した大きな理由の一つだったそうです。


帽子のほかに、子供のおもちゃ用のテント(ティピ)の製作も手がける海苔子さん。

諏訪市出身の海苔子さんは、カリフォルニアの芸術大学で建築を学んだ国際派。都内の大使館に勤務していた時に毅さんと出会って結婚し、程なく子宝にも恵まれ、子育てしながら好きなことも楽しみたいと思い、始めたのが帽子作り。
「子どもの頃からミシンで何か作るのが好きでした。自分に合う帽子がなかなかなくて、自分で作ることにしたんです。」と海苔子さんは語ります。


埼玉県秩父から飯綱町に移り住んだのは6年前。関東と比べ夏の湿気が少なく、夜ふとんをかけて気持ちよく寝られる気候はとても快適で、すぐにこの地が気に入ったそうです。
「信州の中での好きな場所を一つ挙げるなら、志賀高原の深い自然に囲まれた大沼池ですね。池の水があんなにも美しく蒼い色なのは、酸性の水が流れ込んで生物が住みにくいからなんですって。」という三好さんご夫婦は、全国から観光客が訪れるような美しい自然が身近にある環境で生活できることを、とても幸せに感じています。


森の中で美しい色の水をたたえる志賀高原の大沼池

そもそも移住先として飯綱町を選んだ理由は、“伸び伸びとした場所で子どもを育てられる”という、二人の理想に近い環境があったから。お隣さんにお茶に呼ばれるような地域のつながりも、お二人にとって心地よいものになっているそうです。

「鍛冶屋の仕事は楽しいですね。子どもにも何か好きなことを見つけてほしいと思っています。」と語る毅さん。手仕事をする親の後ろ姿を子どもが眺め、四季折々の自然の移ろいを身近に感じられる生活は、二人がここへ移り住む以前に思い描いていたとおりだったようです。


小学3年の長男と田舎暮らしを満喫している三好さんご夫妻

「“こんなふうに暮らしたい”と思っていたことが現実になりました。これからもあくせくしないでやっていくつもりです。」と満ち足りた表情でにこやかに話すお二人からは、今の充実感に満ちた暮らしぶりが伝わってきました。

三好さんの「鉄布工房くりくら」についてはこちら(パソコン用)

飯綱町についてはこちら
飯綱町役場(パソコン用)
飯綱町観光協会(パソコン用)

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