2012.05.15 [ 味・食文化 ]
地酒「鷺娘」と妻籠宿
「鷺娘(さぎむすめ)」は、南木曽町の妻籠宿で限定販売されている地酒(日本酒:純米酒)の商品名です。
代々酒造業も営んでいた妻籠宿の脇本陣奥谷で、昭和の初めまで「鷺娘」は生産され、「♪~山じゃ御嶽 景色じゃ寝覚 酒じゃ奥谷の鷺娘~♪」との唄(今で言うCMソング?)とともに近在で愛された銘酒でした。
【妻籠宿 脇本陣奥谷(国重要文化財)】
【当時を偲ばせる看板などの数々(脇本陣内の展示コーナー)】
戦前に途絶えたこの「鷺娘」を、地元有志の「鷺娘の会」の皆さんが5年前に地域ブランドとして復活させました。使用するラベルも当時のものの復刻です。
酒米作りから地元でとの発案のもと、地域の休耕田を活用しながら、田植えから稲刈りまで地域住民の協働により酒米「ひとごこち」は生産され、木曽郡内の酒造店で醸造されます。これぞまさに“地酒”。
【酒米作りに活用される地元妻籠の休耕田】
ちなみに画像右奥の谷は、次の宿「三留野(みどの)宿」へと続く木曽路の谷です。
こうして地域の熱い想いのもと復活した「鷺娘」の復活5周年を祝う試飲会が開かれると聞き、GW直前の妻籠宿へ駆けつけました。
試飲会の会場は、脇本陣奥谷のお座敷です。歴史ある建物のもとで銘酒を味わう貴重な機会となりました。
肝心のお味は、「鷺娘」復活を援助したマスターソムリエの高野豊氏のコメントのとおり「炊きたての米を想わせる香りが感じられ、味わいは深く穏やか」で、スッキリと飲みやすい美味しいお酒でした。
「鷺娘の会」の伊藤君江会長曰く、「今年の味は、復活させた最初の年に似た味で甘口に仕上がった。」とのこと。こうして毎年の仕上がり具合を楽しむのも手作りの良さを感じます。
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