2023.11.24 [ その他農業農村支援センター ]
🍇上伊那のくだものの旬を調査しています🍎
農業農村支援センターでは、7月から11月までりんご、なし、ぶどうの3品目15品種について熟度調査を行っています。
熟度調査とは、満開期から収穫日数を計算し収穫約3週間前から1週間毎に成熟の進みを調べ、果実の品質や適切な収穫時期の判断のデータを生産者に提供するために行います。
調査項目としては、果実の重さや着色程度、硬さ、酸度、糖度、ヨードデンプン反応、果実の割れ、食味などです。
このうち調査項目にある「ヨードデンプン反応」については、小中学校で行った理科の実験を思い出すのではないでしょうか。
写真1 ヨードデンプン反応を確認している様子
ヨードデンプン反応とは、デンプンとヨウ素が反応して、青色を発色する反応のことです。りんごやなしは熟す過程でデンプンが糖に変化していきます。ヨードデンプン反応を見ることで、十分に成熟が進んでいるのか確認しています。
さらに、食味調査も重要です。果実を1切れずつ食べることで、品種特有の風味や熟期を判断しています。この調査は収穫期の前から行うため、成熟していない果実を食べることもありますが、上伊那管内の旬を先取りできる調査です。
写真2 調査する熟期がまだ来ていないりんご・なしの様子
調査を行う上でのキーワードは「中庸(ちゅうよう)」です。「中庸」とは「極端ではなく、中立的な」意味であり、熟度調査内では熟度が早すぎず、なおかつ遅すぎない「中庸」な果実を調査の対象としています。また、調査に用いる果実は上伊那管内の生産者の畑で毎年決められた樹の中から、各品種りんご5果、なし6果ずつ私たち農業農村支援センター職員が収穫しています。
写真3 中庸な果実を真剣に探す職員
熟期は、日照時間や温度の影響を受けることから、今年のような高温・干ばつの年では、見た目よりも果実内部の成熟が進んでしまい、収穫期の判断が難しかったです。
そのような環境下でも、品質を高く維持できる生産者の栽培技術には驚かされるばかりです。
生産者が丹精込めて作った、美味しい上伊那産の果実をたくさん食べていただければと思います。
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