2012.09.22 [ 農地整備課 ]
上田の殿さまと山田池・・・ため池のお話 その4
農地整備課のSマツカゼです。
塩田平には多くのため池があり、農林水産省のため池百選には「塩田平のため池群」として選定されています。
今回は「山田(やまだ)池」について紹介します。
山田池は、貯水量が20万トンを超える大きなため池です。
※貯水量V=26万トン、堤高H=11m
自然の丘陵地形を利用し谷側を大規模な堤でせき止めた巨大なため池で、強大な政治力や経済力と農業土木技術の向上により出現できたダム的開発型のため池です。
その水源は、別所温泉を流域とする一級河川湯川から導水されています。
「水を使う権利の変遷」 宝永差出帳(1706)によると、代官所から発行される通水切手に基づき、池元2村(山田、八木沢)と池下6村(舞田、五加、本郷、中野、十人、小島)へ配水されていました。
その後明治から昭和にかけ、池下6村は水利権を放棄して、現在は八木沢と山田の両地域の人々により管理が行われ、池の水を使う権利は八木沢52.5%、山田47.5%となっているとの事です。
ため池に飛来したヒドリガモとアマサギ
(写真の提供は日本野鳥の会長野支部長 小柳守男氏)
「ため池工事と殿さまにまつわるお話」
慶安3年(1650)それまで2つ並んでいた池を1つにまとめ大きな池を造る計画をし、工事の許可を上田の殿さまにお伺いしたところ「こんな大きな池を造り、もし堤(つつみ)が切れたら被害が甚大となるから、堤の高さを1尺(約30cm)下げなさい」との指示を受けてしまいました。
仕方なく計画を縮小しての着工となり、現在の山田池が完成したとの事です。
参考文献
①長野県ため池基本台帳
②上田小県近現代史研究会ブックレットNO7
③上小地方事務所農地整備課(旧土地改良第一課)作成のパンフレット 農業農村と民話の世界「塩田平のため池」
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