2014.07.11 [ 環境課 ]
しだれ桑の緑と繭倉庫の白壁の風景
梅雨の晴れ間を利用して、上田駅お城口から枡網用水に沿って常田館(笠原組常田館製糸場跡)まで歩いてみました。この通りは明治中期に用水脇に開かれて、5年前に上田駅周辺の街路網整備の一環で拡幅整備された、古くて新しい市道秋和踏入線です。
権現坂の信号を過ぎたあたりから、街路樹に昭和的な懐かしい木が植わっているのを見つけました。しだれ桑です。昔日このあたりは蚕影町(こかげちょう)と呼ばれ、蚕糸業関連の工場や蚕種の検査所が立地して賑わっていたそうです。しだれ桑はそんな縁で選ばれたのでしょう。(写真奥の繭倉庫は明治45年建築の木造4階建。)
現代の子どもたちは何の木か分からないでしょうが、R生の子ども時代は、桑の木はまだまだ普通にありました。ちょうどこの時期、赤や紫に色づいた桑の実が、緑色だけでなく目を楽しませてくれています。記憶では、食べると甘酸っぱくておいしいのですが、手や口に付いた色がなかなか落ちなくて閉口しました。
もう少し歩くと、常田館に到着です。敷地の中にもしだれ桑が植えられていました。製糸場の繭倉庫が当時のまま残っており、時間が止まったままのようです。写真の右手が明治38年建築の木造5階建、左奥が大正15年建築の鉄筋コンクリート5階建の繭倉庫です。
タイムスリップした雰囲気のあるこの通りを歩くと、明治大正の養蚕や製糸で栄えた往時を偲びつつ、昔の人たちの息吹から勇気をもらえたような、そんな感じの梅雨の一日でした。
この夏は、蚕都・SUN都・聖地(St.サント)と歴史・水・緑の話題を環境課的に投稿していきます。
このブログへの取材依頼や情報提供、ご意見・ご要望はこちら
上田地域振興局 総務管理課総務係
TEL:0268-25-7111
FAX:0268-25-7115