信州魅力人

信州の魅力、それは長野県内で頑張るつくり手たちの魅力。そんな魅力人の想いをお伝えします

長野で生まれ、長野で育った会社だから

重厚な金属がこすれあう音が響き、溶接の火花が飛び散る現場。
長野市・柳原にある羽生田鉄工所の工場では、十数台の圧力容器が組み上げられていました。「容器」とは言いますが、大きさはコンテナ程の特大サイズ。クレーンで鉄骨を持ち上げながら組み立て、幾枚もの鉄板を技術者たちが溶接していきます。
羽生田鉄工所の主力商品は、こうした殺菌釜、圧力釜、タンク各種機器。きのこやみその大規模生産には欠かせない圧力容器を製造・販売するものづくりメーカーです。

メイドイン信州のすごいものづくり技術や匠の技をご紹介し、ものづくりを支える起業人たちの魅力に迫っています「新・信州魅力人」。
羽生田鉄工所の羽生田豪太社長の3回目では、世界へ挑戦する姿をお伝えします。

メイドインナガノ、世界市場へ挑戦!

―トップクラスの技術があれば、中小企業でも世界で戦えるチャンスがでてくるという話が印象的でしたが、現在、海外への展開は?


基本的には国内です。
圧力容器は、法規制の関係で、日本から別の国に持っていくには、その国ごとの法規制に合うか合わないか、という問題が絶対的に多いですね。中国やアメリカなどは合わないことが多いです。
しかし、お客さんから連絡があれば、海外でも作って出荷することは結構あります。


―羽生田鉄工所は、早くから市場としての中国に注目していましたよね。

昨年6月に中国の法人を立ち上げ、今年6月には中国製の1号機を中国の会社に納入しました。
1機入るとだいぶ違いまして、お客さんも真剣に考えていただいています。現在では取引の話も何件かいただいています。

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―かつて日本メーカーは、中国で作るとコストが安いからそこで作る、ということが多かったように感じますが、羽生田鉄工所の中国進出はどうですか?

そうですね。理由は2つあります。
一つは、日本でしか売れないものは変だということです。世界中で売れるはずのものなのだから、世界に売りに行こうという考えが基本です。
もう一つは、中国市場の価格に合わせるためには中国で作ることが必要ということです。以前、お客さんが中国製品のタンクを注文したところ、弊社の半分の価格で買えると言われました。実際に弊社はそれを止めることができない。
こういう状況で、「うちで何が出来るか」と考えたところ、中国に工場があれば、同じ値段で、より品質のいいものを買っていただけるなと思ったのです。
日本では、圧力容器は法規制があるので、中々外国から入ってはきません。でもひとたび規制が緩んだり、無くなってしまったりすることが将来あるかもしれません。そうなったときに、弊社がどう対抗するのかといえば、問題はコストだけ。相手と同じコストでできるものを持っていれば、対抗措置になるというのが理由です。


―中国市場も視野に入れながら、でも、長野での一貫生産にこだわる。長野にこだわる理由は何ですか?

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長野で生まれて、長野県と一緒に育ってきた会社ですから、それが筋だと思うからです。
長野県にはいいところと悪いところあると思います。
色々なインフラや物流や情報が揃っていたほうが商売しやすいので、そういう点でいえばすごく不利です。大きなものを作って運ぶことについても海際に比べて制約があります。
でも、長野は住むにはいいところですよね。
もしかすると、いい環境でものづくりをすることで、工業地帯でやっている人たちよりいいものができると思います。根拠は無いですが。

―リーダーのそういう考え方は、従業員の方にも伝わりますよね。どんな会社にしていきたいですか?

ファミリー的な、和気藹々(あいあい)とした会社にしたいと思っています。
楽しい方がいい。もちろん、遊びでやっているわけではないので真剣にものづくりはしますが、根本は楽しいからみんな集まっている。それが実証できるような会社にしたい。
新入社員にも言っていることですが、人生の中で一番長い時間を会社で過ごすわけですので、楽しい場所が会社であればいいと。



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「仕事は、受身では面白くない。」
安い労働力を求めたかつての姿とは異なり「世界の工場、世界の市場」として、中国には新しいビジネスチャンスが広がります。世界で戦う企業へと変貌を遂げようとする羽生田鉄工所のリーダーに、あえて「なぜ長野にとどまるのか?」と質問したときの、「なぜそんな質問を?」といった羽生田社長の表情が印象的でした。
「長野の企業だから、長野が本拠地なのは当然じゃないですか。」

企業がここまで続いているのは、地域の支えがあったからこそ。装置というのは、ひとつひとつが技術の積み重ねで、その技術は社員ひとりひとりの中にあるワザ。ここで働くひとりひとりも長野の人なのだから…長野にとどまるのは「当然」なのです。

明治以来100年以上続く'信州企業'は、新たな100年に向け、挑戦を続けます。

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