信州魅力人

信州の魅力、それは長野県内で頑張るつくり手たちの魅力。そんな魅力人の想いをお伝えします

やりたいと思えることがまだまだある

前回、140年ぶりに復活させた「鮨鮒」を振る舞ってくれた諏訪湖漁業協同組合の組合長・藤森貫治さん。「鮨鮒」のこと、そしてそのフナが育つ諏訪湖の現状についてホワイトボートを使って丁寧に説明してくれました。そして、藤森さんから思いがけない言葉が。インタビューの2回目は、諏訪湖の水質と、藤森さんご自身のことを伺いました。

漁師は諏訪湖の水を飲んでいる

今、諏訪湖で問題なのは対流が起こらず、3層になっていることなんです。水質の指標であるBOD(生物学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)、PHなどは改善されてきています。重金属とか毒物とかも大丈夫。諏訪湖は水浴場にする基準をクリアしているくらいですよ。だから、諏訪湖で泳ぐことだってできる。漁師も湖の真ん中で、そこの水を飲んでいるくらいですからね。

私は以前、製薬会社に勤めていたんですが、そこで10年ほどISO 14000の仕事をやっていました。製薬協会の中に、環境部会というのがあって、そのメンバーもやっていました。だから環境のことについてはどこに目をつけるべきかわかっていたんです。役員の皆さんも環境に関する知識があって、協力をいただけました。県の対応も早かったです。

-藤森さんが、組合に入ったのは何がきっかけだったんですか?

諏訪湖漁協の鮨鮒

私が組合に入ったのは、もともとはフナの商品化でも、諏訪湖の環境改善でもないんです。組合長に就任する前、漁協には累積赤字が7600万円あって。もう、このままいくとえらいことになるって話だったので、何とかしなきゃいけないと。

私の本当の専門は経理とか経営なんですよ。前に勤めていた製薬会社も、経理などを担当していたんです。退職後は霧ヶ峰の小和田牧野(ぼくや)農業協同組合の組合長を勤めました。それで「牧野の経営改革が一段落したら、こっち(漁協)に来てほしい」という話をいただいたので、一肌脱ぐか、と。

就任してから大きな改善だけでも100項目くらいはやりましたね。明治というか江戸時代みたいな管理をしていましたから。代金の支払いなどは全部現金払いで、これじゃだめだから改善するということになって。経営改革委員会を立ち上げて、メンバーに現状を話して、改善案を出してもらいました。200項目くらいあったかな。そこから、効果がありそうなことを拾い上げて実行していきました。100項目くらいを1年で全部やりましたよ。すると、毎年2000万くらい赤字になっていたのが、1年目で500万くらいの黒字になりました。2年目、今年の1月の決算では1300万くらいの利益を出しました。まだ先は長いけど、道筋は見えてきた。だからまあ、3年やったら私はひと区切りと思っていますけどね。

- 3年でひと区切りなんですか?

だいたい仕事っていうのは3年。3年間でできない仕事は10年やってもできないと思っています。1年目に改善して、2年目にビジョンを見せて、3年目に成果が得られればいい。「鮨鮒」も今年はちゃんと利益が出るようにしたいと思っているからね。

私は、ビジネスモデルを作っているんですよ。そのモデルに従って運営ができればちゃんと利益は得られるし、大丈夫だろうと思っています。(2期続けて)6年となるとメリハリがなくなってきますから。体も精神力も持たないからね。6年間という長い期間、ずっと同じだけのエネルギーを注ぐことは難しいですよ。

組合員もいままでボランティア状態で苦労してきたけど、今度はやっただけのお金は払っていけるようにしていかないと。だんだんそうやって正常にしていかなきゃいけないですよね。

だからやり残しがないように、あと半年、きちんとやろうと思っています。実際、引き止めてくれる人もいるけれど…だから万が一、やらなきゃいけないってなったときは今までみたいにどっぷりとここにいるんじゃなくてね、次にやってくれる人を育てながらやっていこうと思っています。

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