信州魅力人

信州の魅力、それは長野県内で頑張るつくり手たちの魅力。そんな魅力人の想いをお伝えします

町の人にとっても、町のことを知る場所に

長野県北安曇郡池田町「カモミールの会」の代表を務める片瀬さん。代表になる以前は農家に嫁ぎ、農業をしながら子どもを育てていたと言います。インタビューの2回目は、片瀬さん自身がどのような思いで会と関わってきたのかを伺いました。

最初は「素人のおばちゃん」だった

- 片瀬さんはもともと池田町の生まれなんですか?

生まれは白馬で、こちらに嫁ぐ前は教員をしていました。農家に嫁いで、ずっと家で農業をしていましたが、子どもたちが大きくなってからJAの会などで役員をやるようになりました。そして「女性団体連絡協議会」に参加して、地産地消などの勉強会をする中で、「カモミールの会」を立ち上げることになって。

発足時、たまたまレストランが一番手薄だったので、「ここをなんとかしなきゃ」という思いで「レストラン部」に入ったんです。

正直に言うと、最初、レストラン部内では「田舎っぽい料理を出したい」という人が多かったんです。ふるさとの味とか、郷土の味とかそういうものを出していこうと。でも、あまりにも施設ができるのが遅くなっちゃったので、穂高や松川などそこらじゅうでそういうことをやり始めてしまって。それで一番後から始めるのに同じことをしていては「池田らしさ」が出ないということになって、池田に合うものは何?と考えたときに思い切って洋食でいこうという話になりました。

- 池田町の特産品の一つにハーブがありますからね。

カモミールの会 片瀬敦子さん

そうなんです。でも、私も他のメンバーも家で料理はするけれど言ってみれば「素人」で。そこで、フランス料理店「エスポワール」(茅野市)の藤木徳彦シェフに指導をお願いすることになりました。藤木シェフは「地産池消の仕事人」。これまでも池田の食材を使っていただいていて、もともと池田が好きでいてくれて。藤木シェフはずいぶん心配されたみたいですけど、でも、頑張ってやりますということで、いろいろ助けていただきました。

まずは「地域に根ざした食材」について考えました。始めるまで、私たちは池田で黒豚が飼育されているなんて知りませんでした。でも、黒豚もいるし、鱒(ます)もいるし、烏骨鶏(うこっけい)もいる。ハーブもあるから、これだけのものがあれば大丈夫、ということになって。

1年目はとにかく先生のおっしゃったことを曲げないようにやろうというので過ぎました。もうワープロで打ったレシピがボロボロになるくらい、とにかく忠実に。でも、2年目に入って「それではいけない。自分たちで変わったことをしなきゃ」と言われて。3年目になってフレンチがいくらかわかった上で、お料理が出せるようになってきたと思います。今度はこの食材を使ってみようとか、料理をアレンジしてみようとか、自分たちでやるようになってきました。

町の人にとっても、町のことを知る場所に

カモミールの会 片瀬敦子さん

それまでは、私たちも含めて、黒豚が池田で飼育されているのに食べたことないという人が多かったんです。別のところへ行ってたんですね。でも、これをきっかけに、流通ルートをつないでもらいました。今は、自分たちのところのものを食べられるようになったことが嬉しいと町の人たちも言ってくれています。魚についても、信州サーモンと大鱒の両方が池田にいたんです。湧水で育てていて、沼臭くないというか、肉がとてもおいしい。

そういう発見から始まって…まだまだ池田には、探せば食材がいっぱいあると思っています。これからはハーブの生産者組合が作っているものや、地元で作っている珍しい野菜を使おうとか、新しい食材がここで定着するようにと考えています。なかなか西洋の野菜とかハーブ野菜は出回ってないので、ここに来たら食べられるようにしていければ。今後は農家の人が新しく作ったものを、ここで活かして、みんなに広めていくという流れを作っていけたらと思っています。

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