2025.09.12 [ 移住・定住南信州のひと・つながり ]
「クロモジってどんな香り?」香りがつなぐ 優しい地域づくり
こんにちは! リニア活用・企画振興課のあんずもちです。
4月24日にInstagramでご紹介した、飯田市の「一般社団法人ソーシャルデザインプロジェクト丘のりんご」を運営する丸山さんご夫妻。地域に根差した福祉のあり方や、クロモジを使ったアロマ商品の開発など、印象的な活動をお届けしました。
今回は、アロマオイルの精油づくりを通じて、障がいのある方の雇用につなげる取り組みが進んでいると聞き、改めて取材に伺いました。
山のめぐみを大切に活かして
「丘のりんご」では、南信州地域振興局林務課と連携し、林福連携事業の一環として、アロマオイルの原料となる精油を製造しています。
森林整備の際に一緒に伐採されるクロモジやヒノキの葉や枝を集め、チッパーという機械で細かく砕き、じっくり蒸してオイルを抽出します。
香りのもととなる精油は、40kgのヒノキからは500g、40kgのクロモジからはなんと150gしか採れないほど貴重なもの!
香りのよさにこだわって、ひとつひとつ手作業で丁寧に選別する根気のいる作業です。
その分、完成したアロマの香りはとても上品。ディフューザーで香らせていただいたところ、すっきりとした香りが広がり、気持ちがふわっと軽くなるような香りでした!現在は地域振興局の局長室にも置かせていただき、訪れる方々を素敵な香りで迎えています。
他にも、「丘のりんご」の精油は、ハンドクリーム、香る絵具、おしぼり等の様々な製品に使われています。
障がいのある方や高齢者が活躍できる場づくり
この精油づくりのすごいところは、障がいのある方や高齢者が、それぞれの得意なことを活かして参加できること。
「質のよい精油をつくる。その工程に障がいのある方が適材適所で関われることが目標」と話す丸山さん。今後は障がい者の就労の場としてだけではなく、養護学校の生徒の実習受け入れも目指しています。どの工程を生徒が担えるか、学校と連携してアセスメントを行いながら進めていく予定です。
また、こだわっているのが「質の良い精油を適正価格で市場に卸す」こと。障がいのある方が関わった製品は安価に販売されることもありますが、「障がいの有無に関係なく、良いものを適正な価格で販売し、正当な対価を得ることが大切」と丸山さんは話します。それこそが、真の共生社会の実現につながるのかもしれません。
実際、「丘のりんご」の精油は業界内でも高く評価されており、大手企業からの提供依頼が後を絶ちません。現在の生産体制では需要に追い付かない状況のため、今後は精油抽出機を2台から4台に増設し、より多くの精油を供給できる体制づくりを進めていく予定です。
そんな中でも丸山さんは、「商業的なビジネスではなく、地域づくりの一環として続けることを大切にしたい」とぶれない思いを持ち続けています。社会的弱者の方が安心して暮らせる地域づくりを目指し、丸山さんご夫妻はその土台作りに取り組み続けています。
並木テラスで美味しいカレーとコーラをいただきました
精油づくりの現場を見学した後、「並木テラス」で丸山さんと一緒にランチをいただきました。
この日のメニューは「サンキューカレー」。営業日はどなたでもこの価格でカレーがいただけるそうです。具がゴロゴロ入っている甘めのカレーでとても美味しかったです!
カレーと一緒に南信州コーラも注文しました!
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