南信州お散歩日和 南信州は、広い長野県の南端に位置しています。やわらかい方言が使われ、人も土地柄も温かく穏やかな当地域には、 各所に温泉があり、賑やかなお祭りもたくさんあります。 この地域ならではの魅力を職員がお伝えしていきますので、 南信州にどうぞおいでなんしょ!

南信州お散歩日和

南信州は、広い長野県の南端に位置しています。やわらかい方言が使われ、人も土地柄も温かく穏やかな当地域には、 各所に温泉があり、賑やかなお祭りもたくさんあります。 この地域ならではの魅力を職員がお伝えしていきますので、 南信州にどうぞおいでなんしょ!

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平谷村で発見!林さんご夫婦が営む「ペアツリーファーム」―山地酪農と絶品ミルクの魅力

こんにちは!南信州地域振興局リニア活用・企画振興課のあんずもちです。

今回は、南信州・平谷村で「ペアツリーファーム」を営む林 直秀(なおひで)さん、茜(あかね)さんご夫婦をご紹介します。

南信州・平谷村にある「ペアツリーファーム」ってどんな場所?
長野県で最も人口が少ない村、平谷村(約400人)。面積の9割以上が山林で、標高も高く、夏は避暑地として中京圏から多くの観光客が訪れます。
そんな自然豊かな平谷村で、全国でも10軒ほどしかいない「山地酪農」に挑戦しているのが林さんご夫婦。日本では珍しいジャージー種を飼育し、自分たちで搾ったミルクを使った乳製品を製造。その美味しさを楽しめるカフェも運営しています。

都会から山へ―林さん夫婦の移住ストーリー
お二人は神奈川県横浜市出身。就職先の岩手県の牧場で出会い結婚。そこで山地酪農を学び、「自分たちで酪農をやりたい」という夢を抱きました。
しかし岩手では製品配送の課題があり、都市部からアクセスの良い場所を探すことに。そんな時、横浜の移住フェアで出会ったのが平谷村でした。

 

「山がある」「空き店舗がある」「中京圏からの来客も期待できる」等の理由から平谷村に移住を決意。2020年10月に移住して山を整備し、翌年から牛の放牧を開始。途中、牛の飼育や店舗準備に難航したこともありましたが、夫婦で力を合わせ、2024年7月に念願のカフェをオープンしました。

日本で約10軒しかない「山地酪農」とは?
全国に約11,000件ある酪農家のうち、放牧を行うのは10%未満といわれています。その中でも「山地酪農」を実践する牧場は全国でわずか10軒ほどしかありません。
山地酪農は、山間部の自然草地で牛を放牧し、自然に近い形で育てる酪農です。ペアツリーファームは広さ8.5ヘクタールの山で、希少なジャージー種を6頭飼育し、夏は山の草を食べ、冬は夏にストックした草を与えるなど、自然循環型の飼育を実践しています。

この日は特別に牧場を見学させていただきました。現在は非常に整備された土地が広がっていますが、当初は背丈以上のススキや草木が一面に生えていたそうで、ご夫婦で1年以上かけて整備したとのこと。

見学中、一頭の牛「マスカットちゃん」が近づいてきてくれました。私は人生で初めてこんなに牛と接近したので少しビビっていましたが、人懐っこくてとても可愛らしく、すっかりファンになりました!

ペアツリーファームは予約制で見学可能。詳しくは公式HPをご確認ください →https://pairtreefarm.jp/
さらに、ペアツリーファームの特徴は「6次産業化」に挑戦していること。牛乳を搾るだけでなく、自分たちで殺菌し、保健所の許可を得て製品化し、カフェで販売するまで全て夫婦で行っています。育てる・作る・届けるまで一貫して手掛けるのは、酪農業界でも非常に珍しい取り組みです。

 

なぜ難しい山地酪農に挑戦するのか?
山地酪農は乳量が少なく、流通も難しい。それでも挑戦する理由は「山地酪農の牛乳のおいしさを広めたい」という想いと「山への想い」。
日本の国土はほとんどが森林ですが、林業や山で商売する人が少ないのが現状です。管理されない山が増えると獣害も深刻化します。「牛を放牧することで里山が再生し、生態系が生まれる。小さな取り組みかもしれないけど、山地酪農が広がれば山の問題や食糧問題の改善につながる」と林さん。さらに「育てる山によって牛乳の味が変わるので、長野県内で山地酪農が広がり、飲み比べができたら面白い」と今後の夢も語ってくれました。

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