2025.08.14 [ 移住・定住南信州のひと・つながり ]
「やってみたい!」を育てる地域づくり 〜新井直彦さんが描く、松川町から広がる未来〜
こんにちは! リニア活用・企画振興課のあんずもちです。
今回ご紹介するのは、松川町を拠点に、高校生や若者と共に地域づくりに取り組む新井直彦(あらい なおひこ)さんです。
松川町出身、行政の現場から地域の中へ
新井さんは松川町出身。地元の高校を卒業後、県外の大学へ進学し、卒業後は再び町に戻り、町役場に就職しました。
公民館やまちづくり政策課等で行政職員として長年地域に携わるなかで、「行政の立場ではなく、現場で同じ目線で地域の人たちと取り組みたい」との思いが芽生えます。少しずつ準備を行い、4年前に役場を退職。合同会社「ロボウノイシ」を立ち上げ、地域の中に飛び込む決断をしました。
“やってみたい”をカタチにする「まつかわマイプロジェクト」
現在は、若者と地域を繋ぐさまざまな活動を展開中。その中心的な取り組みが「まつかわマイプロジェクト」です。
これは、若者一人ひとりの「やってみたい!」という想いを出発点に、地域の人々と一緒にプロジェクトとして実現していくもの。
たとえば、「松川町にストリートギターを置きたい」という高校生のアイデア。ストリートピアノは耳なじみがありますが、ギターは珍しい試みです。実現に向けては、多くの人が関わり、無事プロジェクトが形になりました。
「自分の想いを口に出し、実際にやってみる」──その経験が、若者の自己肯定感や将来への視野を広げ、地元への愛着にもつながっています。「夢が見つからない」という子どもたちにとっても、自分の興味・関心を見つけるきっかけになるかもしれません。
現在進行中のプロジェクトは約15件。それぞれ関わる方も異なるため、調整は簡単ではありませんが、「今が一番楽しい」と笑顔で話します。若者の夢が実現していくのと同時に新井さん自身の夢も実現しているのだと感じました。
教育と地域をつなぐ挑戦
地域創生のフィールドだけでなく、教育分野にも力を入れている新井さん。現在は長野県立大学の地域コーディネーターとして、また松川高校や飯田高校で探求学習の授業づくりにも携わっています。
「地方創生や地方自治は教育から生まれる」と話す新井さん。学びと実践、学校と社会、子どもと地域をつなぐことで、本当の意味での「地方自治」になっていくといいます。
インタビューの中で、特に印象的だったのは、「自分の好きなことを見つけるには、地域に出て多様な大人と出会い、実際に学ぶことが大切」という言葉。
たしかに、私たちも大人になってから「こんな仕事があったんだ」「この人の生き方、素敵だな」と思うことが増えます。そんな出会いや学びを、学生のうちに体験できたら、その後の人生がきっと豊かになるはずです。
新井さんおすすめの“まちの宝”を歩く
インタビューの最後に、新井さんおすすめの場所を案内していただきました。まず訪れたのは、松川町図書館。
館内に一歩足を踏み入れると、木の温もりに包まれた、心地よい読書スペースが広がっていました。棚や椅子には地元産の木材が使われており、穏やかで落ち着いた空間が訪れる人を迎えてくれます。
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