2016.12.06 [ 南信州の伝統・文化・史跡 ]
遠山の霜月祭り~小道木・熊野神社編~【2016冬】①
こんにちは、地域政策課のHTです。
さて、南信州地域で初冬の伝統芸能と言えば、飯田市上村・南信濃の遠山郷一帯に分布している湯立て神楽の祭り『霜月祭り』です。
そこで、12月4日「霜月祭り~小道木・熊野神社~」へ観覧に行ってきました。
あいにくの空模様でしたが、観覧者が少ないことを期待しつつ(こんな自分にはお清めが必要?)、神社へ向かいました。午後8時30分頃に到着すると、社殿では禰宜(ねぎ)による神事も行われていました。太鼓の響きと氏子の皆さんのかけ声の大きさ、勇ましさに圧倒されます。
氏子の中には揃いの法被を着た若者(野郎会の皆さん)も多く、こうした伝統芸能が若い力で承継されていくことに頼もしさを感じました。
遠山郷の各神社に伝わる「遠山霜月祭り」は国の指定重要無形民俗文化財に指定されており、最も太陽の力が弱まり、生命の力が衰える霜月(旧暦11月)に、諸国の神々を招き、湯を立て、神楽を奉納し、五穀豊穣、社会安泰を祈る祭りで、神事や神楽舞の奉納が繰り広げられます。
各神社では釜数や面数が違っており、この熊野神社は釜が二つ、面(おもて)は、37面もあります。
社殿では、使用済みの湯木を持って、村人も湯立てに参加する「天白の湯」、それから「神返しの神楽」と進み、4名の氏子が赤い襷(たすき)を締めた「襷の舞」が始まりました。右手に鈴、左手に扇を持ち、舞が進みます。ヤーハイの時にはその場で両足ジャンプする(飛び上がる)躍動感ある舞で、この後に扇を剣に持ち替えて行う剣の舞まで4名の息の合った見事な舞が披露されました。
続く「鎮めの湯」が終わり、午後11時頃、いよいよ最初の「面」の登場です。やはり、”湯切り”を見たい気持ちが大きく、自分の位置を釜の正面に移動し、カメラと心の準備をして待ちます。そして、大天狗(火王様)の登場で 神殿内の盛り上がりもピークに。ゆっくりとした足取りで舞殿をまわり、釜の前に立つと、周囲の「ヨーセッ、ヨーセッ」とはやすかけ声に合わせるように手が左右に振れた~。”湯切り”です。何と神々しい。
その後、次々と面が登場しますが、手を挙げれば届くほどの近距離での観覧に感激です。その後、ふと「遠敷(えんじき)神社」と目が合い、手に持っていた笏(しゃく)が私の頭へ。思わぬタイミングで清めていただきました。
10以上の面が登場した頃でしょうか、大黒天が登場。鈴と扇を持ち、愛想よく舞います。社殿全体がすごく楽しい雰囲気に包まれます。しばらく進む中、大黒天の肩からかけた袋から何かが投げられました。これはご利益がある物に違いないとこちらへ投げられるのを待っていると何と、ゲットすることができました。(笑)何が投げられたかは、現地でのお楽しみ♪
大黒天の次は、四面(山の神様、金山様、半僧坊様、猿田彦様)の登場です。
一番の山の神様から舞殿へ登場し、周囲で「ヨーセッ、ヨーセッ」とはやしたてる氏子たちに向かって背中から飛び込みます。次に来た方向へ向かって跳んで行きます。次から次へと舞殿を所狭しと跳びつづけます。3面同時に跳ぶ場面では、盛り上がりも最高潮に。勢い余って、壁にぶつかるシーンもあり、大迫力です。最後は氏子たちに捕まり、拝殿に無理矢理押し込まれるという荒々しさです。
続く舞稲荷が登場し、狐の格好で愛嬌よく軽快な舞が披露されると、いよいよ”湯切り”を行う小天狗(水王様)の登場です。再び披露された神々しい”湯切り”に社殿は歓声と拍手の渦に包まれました。何度見ても凄い。感動しました。
最後は、神社の守り神である宮天拍が登場し、邪悪を切り祓います。そして、かす舞、木の根祭りで終了となりました。
時刻は、午前1時30分でしたが、面の一つである婆さの榊によるお祓いもしていただき、自分も少しは清らかな心の持ち主になれた?ことと何と言ってもこの祭りを目前で十分に体感し、充実した楽しい時間をすごすことが出来ました。
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