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美ヶ原高原において絶滅危惧種アツモリソウの人工受粉を行いました!!

皆さん、こんにちは!!

自然保護課のブログ担当はやまゆです。

自然保護課では、平成28年6月13日(月)美ヶ原高原において、上伊那農業高校と林野庁の連携によりアツモリソウの人工受粉を行いました。

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アツモリソウは、ラン科の植物で花の色は紅紫色から薄紅紫色で袋状になった可憐な花です。その可憐さゆえに1970年代の山野草ブームによる乱獲で個体数が激減し、近年ではニホンジカの食害で更に大きく数を減らしましたそのような状況を踏まえ、国では平成9年に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」の特定国内希少野生動植物種に指定され、また県では平成16年に長野県希少野生動植物保護条例の特別指定希少野生動植物に指定し、採取や損傷を禁止しました。

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上伊那農業高校は平成19年より栽培物のアツモリソウを使った人工増殖に取り組んできましたが、種子からの大量増殖に成功したことから野生のアツモリソウ保護に協力したい旨、県に申し出ていただきました

従来のアツモリソウ保護は、ニホンジカの食害対策として電柵設置することが一般的ですが具体的に数を増やす対策がない状況の中、増殖技術を有する学校の申し出を受け、生育地を管理する林野庁と学校、県の三者で保護活動内容について検討を進めてきました。

美ヶ原高原では、今年の開花数がわずか3花という厳しい状況で、存続が危ぶまれる状況にあったことから、生育地で確実に種子を結実させるため、開花個体の人工受粉を行うこととし、6月13日に作業を実施しました。

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今後は、受粉が成功し、種子が形成された場合は、学校で無菌培養で増殖し種の存続を図りながら、自生地の再生にチャレンジします。

今回参加した生徒は、「室内実験とは作業性が全く違い、作業が難しかった。」と難しさを感じていたようですが、未来を担う世代が保全活動の大切さを認識し、継続的な活動となるよう関係機関の連携で応援する予定です

 

 

 

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