来て!観て!松本『彩』発見 歴史と伝統の城下町松本。のどかな田園風景安曇野。そびえたつ雄大なアルプス。自然と文化に彩られたまつもと地域の情報を、松本地域の県職員の発見を織り交ぜつつお届けします。 面白いこと新発見、知ってる人にも再発見、何だこれはの珍発見。当たり前だと思っていたことから、ローカルなことまで職員の発信する情報をお楽しみください。

来て!観て!松本『彩』発見

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これな~んだ? 円筒分水のお話し

農地整備課のH.Sです。

さて、質問です。これは何でしょう?。
水が見えますから水路関係の施設であることは間違いないでしょうね。
答えは「円筒分水」と言って塩尻北ICのすぐそばにある農業用水を正確に分水する水利施設です。



図-1

良く見る分水工は図-1のように素朴な平面的な分水です。一見分けている水路の巾のとおりに水の量が分けられるように思えますが、実は分けた先の水路の勾配(下がり方)などで必ずしも正確に水を分配できない場合があります。
この施設がある「四ケ堰(しかせぎ)」は明治初期に当時の「村井町村」「小屋村」「平田村」「野溝村」の四ケ村に奈良井川から取水して農業用水を送るために作られた用水路です。
水路の途中から四つの村に水を分けるのですが、元々水の乏しい場所なので、水争いが絶えなかったそうです。
昔から水争いは厳しいもので、流血騒ぎが村同士の争いに発展してしまい、収拾がつかなくって終いには当時の軍隊が出動してようやく鎮圧された歴史も松本管内にはあります。
そこで、より公平に水を分配するために昭和の初期に当時の最新技術で「円筒分水」が作られました。

上流から流れてきた用水は一旦円筒分水の下にもぐって、ふき上げる形になっています。ちなみに円筒分水の上流側に見えるものは除じん機といって、用水路に流れて来るゴミを自動的に取る施設です。


図-2

円筒分水の上面は水平になっていますので、水を分けたい比率で円周を分割すれば、正確に用水を分水できることになり、誰の目にも公平性が判りやすい仕掛けになっています。(規模が大掛かりでお金もかかりますが……)

この分水が作られた当時は5本の水路に水を分けていたそうですが、現在は周辺の宅地化などで3つに分水しているそうで、時代の流れを感じました。
それにしても良く考えたもんですね!

注)図-1・2は農林水産省のHPからお借りしました。

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