2012.03.15 [■アレ☆これ☆信州]
Vol175■とく☆とく信州 内山紙
今回ご紹介する信州の「伝統的工芸品」は、信州最北部の飯山市を主要産地とする「内山紙」(経済産業大臣指定)です。
「内山紙」の起源は、今から約350年前、江戸時代の初期に、現在の飯山市に隣接する木島平村内山の萩原喜右ェ門という人が、美濃の国(現在の岐阜県南部)で紙漉(かみすき)を習得して戻り、内山の地に広めたのが始まりと言われています。
豪雪地帯である飯山周辺で手漉き和紙の製造が発達したのは、
・原料となる「楮(こうぞ)」が自生しており簡単に入手できたこと
・農家の冬の間の副業として適していたこと
・地元や隣接する新潟県で丈夫な障子紙の需要が高かったこと
・大量の雪が楮をさらして白くする作業に役立ったこと
などの条件が揃っていたためと考えられます。
時代が変わり、大量生産の「洋紙」が急速に普及する中で、手間のかかる手漉き和紙の製造は衰退していきましたが、工程の一部に動力を取り入れるなど製造方法に改良を加えつつ、「内山紙」の伝統は現在に受け継がれています。
様々な和紙製品が作られている
原料に楮のみを用い、洋紙パルプを混入していない「内山紙」は、強靱で通気性・通光性に優れています。また、楮を雪にさらすことによって、漂白に使用する薬品が少量で済むため、自然な白い色をしており、日焼けしにくく長もちします。
このような特性を持つ「内山紙」は、“障子紙の代名詞”と言われるほど、全国で障子紙として愛用されてきたほか、官公庁の台帳等の記録紙としても広く使用されてきました。
柔らかな灯りが心地よい「和紙照明」
近年では、ライフスタイルの変化に合わせて、手帳・便せん等の文房具や、インテリア製品等も作られています。
障子のある住宅が減り、ペーパーレス化が進む現代ではありますが、人の温もりが感じられる「内山紙」を身近なところで生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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