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<VOL.200>四季彩だより ~信濃の国から~

川面に映る秋のうつろい ~天龍峡~(飯田市)

澄み切った青空の下、秋風にゆれる秋桜(コスモス)の間を赤とんぼが飛び交うようになりました。
黄金色の田んぼでは稲刈りが盛んに行われ、里山でも紅葉が次第に色濃くなり始めました。
今回は、秋のうつろいを静かに川面に映す国の名勝「天龍峡」の紹介です。


(錦秋の天龍峡)


天龍峡は長野県南部の飯田市にある天竜川の峡谷で、昭和44(1969)年に指定された天竜奥三河国定公園内にあり、弘化4(1847)年にこの地を訪れた漢学者の阪谷朗廬(さかたにろうろ)によって、天龍峡と命名されました。

諏訪湖を源流とし、伊那谷を貫いて太平洋に注ぐ天竜川流域の中でも、両岸にそびえる大岸壁や奇岩により山水画をほうふつとさせる奇勝絶景をつくりだしており、昭和9(1934)年に国の名勝に指定されました。春の新緑や岩間ツツジ、山桜のコントラスト、秋の川面を彩る紅葉と、四季それぞれに訪れる人々を幽玄の美の中に溶け込ませています。


(天龍峡に架かる「つつじ橋」)

明治15年(1882)年、書聖と仰がれた書道家の日下部鳴鶴(くさかべめいかく)が訪れ、9つの岩峰と1つの橋を選び、『天龍峡十勝』とし、岩面に自筆の銘が刻まれています。天龍峡十勝のほとんどは、川下りの船上から眺望できます。

【天龍峡十勝】
1.垂竿磯(すいかんせき)
2.烏帽石(うぼうせき) 
3.歸鷹崖(きようがい)
4.姑射橋(こやきょう)
5.烱烱潭(けいけいたん)
6.浴鶴巌(よくかくがん)
7.仙牀磐(せんじょうばん)
8.樵廡洞(しょうぶどう)
9.龍角峯(りゅうかくほう)
10.芙蓉峒(ふようどう)

現在、南信州では2つの舟下りが楽しめます。
峡谷にこだまする櫓の音と水しぶきの爽快な舟下り!春は花、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪と四季それぞれに変化する峡谷の美を思う存分楽しむことができます。
冬でも舟下りできるの?…大丈夫です!冬場は“こたつ舟”が皆さんを温かく迎えてくれます。

◇天竜舟下り(TEL 0265-24-3345)
http://tenryu.netbank.co.jp/unkouroot.html

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