じょうしょう気流 「上小(じょうしょう)地域」と聞いて、みなさんは長野県のどの地域を思い浮かべますか?「上小地域」は、上田市、東御市、小県郡長和町、青木村の2市1町1村からなり、群馬県の西側に接する地域です。「上小」には自然、歴史、文化、おいしい農産物など、さまざまな魅力がありますが、それらを上田合同庁舎の職員の目で見て綴り、皆さんにご紹介してまいります。

じょうしょう気流

「上小(じょうしょう)地域」と聞いて、みなさんは長野県のどの地域を思い浮かべますか?「上小地域」は、上田市、東御市、小県郡長和町、青木村の2市1町1村からなり、群馬県の西側に接する地域です。「上小」には自然、歴史、文化、おいしい農産物など、さまざまな魅力がありますが、それらを上田合同庁舎の職員の目で見て綴り、皆さんにご紹介してまいります。

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「電気ご使用量のお知らせ」から○○を考える

環境課のR生です。「一人の百歩より百人の一歩」シリーズの2回目です。今回は電気を考えます。
まずは、電気料金の仕組みを見てみましょう。
(家庭用の標準的な「従量電灯B」の例)
電力の供給は、最初に大規模な発電設備が必要になる費用逓減産業のため、電力料金は需要に見合う安定供給を主旨に政府がその適正な価格を認可する制度(=総括原価方式)になっています。その原価は電力会社の発電設備の減価償却費・修繕費、燃料費、人件費等を積算し、電気料金として基本料金単価(契約アンペア、毎月定額)と従量料金単価(キロワット時当たり、使用量に応じて料金がかかる)を割り振ります。
さらに従量料金は3段階の累進的な単価に細分され、120kWhまで1段料金→300kWhまで2段料金→それ以上は3段料金と低い方から順々に適用されるので、使用量がかさむほど単価が上がることになります。


 また、総括原価による算定単価は定価部分の決め方であり、実際の電気料金には航空運賃の燃油サーチャージに似た変動部分がついていて、火力発電に用いる実際の燃料費の平均調達コストが、定価を算定した時の燃料の価格水準から乖離した場合、その分を毎月反映(=上限あり)します。これを燃料費調整制度といい、最近は燃料費の高騰(国際市況+円安)が続いているので、電気料金値上げは毎月の定例ニュースになっています。
平成25年9月の単価は2.78円(プラス)で、定価の2段料金単価21.09円の約13.2%!です。つまり、現行の単価水準を算定した5年半前の平成20年4月に比べて、燃料費の高騰だけで約13%も割増の電気料金になっているのです。(他の多くの電力会社は3.11以降に定価の抜本見直し(値上げ)を行いましたが、中部電力は定価単価の改定をしていないので、見かけ上、燃料費調整額が他社より高くなっています。(東京電力の同月の単価は1.98円、2段料金は25.19円!(平成24年9月認可))(この記事の校正中に、中部電力でも来年4月の抜本的値上げ予定の報道がありました。)


 電気料金は単価×数量で決まるので、5年前と同じような生活をした場合でも13%の値上がり、酷暑対応のために例年よりも余計に電気を使うと、3段料金(割増)適用部分が増えるため、計算すると2割増・3割増となってしまいます。

今夏は梅雨明けが7月6日と平年より15日も早く、その後の7月10日前後の1週間、8月のお盆頃の2週間の連日の猛暑日(最高気温35℃以上)はとてもきつかったです。地球温暖化の影響なのでしょうか、冷涼といわれる上小の夏もエアコンなしには過ごせなくなりつつあります。


 ただ、暑さに任せてエアコンを付けっぱなしにしていると、生理的な汗が止まって快適なのですが、電力会社からの「お知らせ」に、今度は冷や汗が。のど元過ぎれば熱さを忘れるという訳にはいかず、秋の夜長に前月の「お知らせ」を見て、夏の寝苦しさがよみがえります。「先月の電気代、えらい高くない?」「えー、こんなに使ったのか。暑かったからしょうがないか。」「あまちゃん、1日に何回も観るからだ。」
値上げと猛暑のダブルパンチで、逃げ場もなくもうフラフラです。秋は温度調節のための電化製品を使わなくてもいいので、生活を見直すチャンスです。
公共料金は銀行の口座振替にしているので、通帳記帳をしない限り金額も知らないという方も少なくないと思いますが、何事も現状把握がスタートになりますので、次の検針時には「電気ご使用量のお知らせ」を是非ともご覧になってください。
去年どうだったかなあと思った方、中部電力では過去15か月分の電気料金照会サービスを行っていますので、参考にしてください。

https://selectra.jp/energy/kaisha/chuden

さて、ようやく本題に来ました。「○○を考える」の○○は、節電と発電です。毎月の家計の負担感を少なくする方法は、単価の交渉は不可能なので、数量(買電量)を減らすことです。ではどのように減らせばいいのでしょうか。
もう少し言葉を重ねると、最近のニュースを見聞きするに、化石燃料を使う発電が増えると燃料代として日本からお金がどんどん失われていく。この意味で、家計の防衛が国富の防衛にも直結します。節電は当然のこととして、「SUN都」上小なら発電(太陽光発電)までが検討対象になりうると思っています。一人ひとりの節電・発電が国全体の発電能力の大きさに関与できるのです。まさに、一人の百歩より百人の一歩の世界です。

(1) 節電をする。
わかりやすい直接的な方法です。熱中症予防のため冷房機器は適切に使用しつつ、不要・無駄な電気のスイッチを切ることから始めて、24時間稼働である冷蔵庫をどうするか、エアコンの設定温度を上げることや白熱灯からLEDへの買い替え等までを含みます。
上小地域には「自然エネルギー上小ネット」という協議会組織があり、省エネ分科会では「省エネ出前講座(無料)」を計画していますので、電気料金や節電に興味を持った方はご参照ください。
http://syoene.doorblog.jp/archives/32333602.html
ssyslab@gmail.com

(2) 自家発電して電力会社から買う量を減らす。
この方法も毎月の電気代支払※を減らせます。今や、太陽光発電パネルを自宅の屋根に乗せれば、昼間の自家消費分を自給できる時代になりました。余剰電力の固定価格買取制度は、この長く使う高い買い物へのリスクヘッジとなってくれています。
実は、この買取のための財源は、私たちの電気料金の賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金・太陽光発電促進付加金)で賄われているという制度下にあります。ご存じでしたか?
※ ただし、太陽光パネルの代金の支払(ローン)が別にあるため、「元が取れる」かどうかには、節電行動との併用が必要になります。
前述の自然エネルギー上小ネットには太陽光分科会もあり、太陽光発電の疑問・不安などに公益的な立場から相談に乗ってくれます。
riki@taiyoriki.com
また、相乗りくんのNPO法人上田市民エネルギーも、頼りになりますよ。
http://www.dia.janis.or.jp/~nccca/ainorikun/index.html
上小の屋根は、他地域からは垂涎の的のようです。電力自給に興味を持った方は是非ともご照会ください。

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