北信州からごきげんよう 北信地域の現地機関からのお知らせとともに、千年風土の豊穣の地「信越自然郷」の魅力をお届けします。

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クマの人身事故を振り返る(R7.6.4)

4月に飯山市と木島平村で相次いだクマの人身事故を受け、クマ専門家の知見を踏まえた事故の振り返りと関係者の情報共有を目的として、6月4日(水)の午前には飯山市常盤地区で現場検証を、同日の午後には北信合同庁舎で検証会議を開催しました。
午前中の現場検証には、クマ対策員など7名の専門家と飯山警察署、飯山市担当課が、午後の検証会議は、事故当時にドローンで精力的にクマの探索活動に当たったクマ対策員も加わった8名の専門家と飯山警察署、管内6市町村担当課など多数の皆さんに参集いただきました。

(現場検証で専門家に当日の状況を説明)

 

4月の人身事故は、飯山市、木島平村のいずれも集落内で発生した事故ですが、クマの活動が本格化する前の4月といった早い季節の発生であり、事故の発生時間も夕方16時頃といった、クマの行動から通常では考えられない早い時間帯に発生しています。
特に、飯山市の事故は集落内に出没したクマが人家に入り込んで人を襲うなど、異例づくしの状況で発生した事故でした。

専門家の皆さんの見解としては、この地域に限らず、近年は里山や山裾でクマが生息できる環境が増えており、何かの拍子にクマが出没してしまうケースが多くなっていること、また、今回の事故について出没要因はハッキリしないものの、移動経路や移動時間などから、偶発的に住宅地に入ったクマが何らかの要因でパニックを起こし、事故を引き起こした可能性が高いとのことでした。
5月には飯山市の千曲川河川敷の中州で、人身事故を起こしたクマとは別のクマが捕獲されましたが、胃の内容物に河川敷の新鮮なクルミの実が大量に入っており、それを食べるために河川敷を利用していたのではないかなど、人里近くにおける対策の重要性なども共有したところです。
結論としては、クマが人里付近に出没している状況を住民に周知し、クマが身を隠すヤブの刈り払いエサとなる残飯や柿などを放置しない対策、場所によっては人身事故を防ぐためのゾーニングと並行した捕獲対策が重要であることを確認し、会議を終了しました。

(専門家の見解を伺った検証会議)

 

一般的に、クマの活動は春以降に徐々に活発になりますが、5月、6月には北信管内でも本来のクマの生息エリアである森林や山ぎわの目撃情報も例年通り徐々に増えています。
また、季節がもう少し進んだ夏場になると、山の中のクマのエサが少なくなるため、一年の中でも里への出没がピークを迎える時期になります。
特に、アウトドア活動や農作業など人の活動が活発化する夏場は、山ぎわでクマと遭遇する可能性が高まるため、クマとの遭遇を避けるための対策が必要になりますし、合わせて、クマを市街地や集落に引き寄せない集落近くに居付かせない対策を地域の皆さんと一体で取り組むことがとても重要になります。
特に毎年、同じ場所へクマが出没する場合は、無意識の内にクマを引き寄せる何らかの要因があるかもしれません。
北信地域振興局林務課では、クマ出没に関するご相談にも対応していますので、クマに関するご心配事などがありましたら、是非、林務課までお問い合わせください。

 

相談窓口:北信地域振興局 林務課 林務係
電話番号:0269-23-0215(直通)

●リンク 北信のクマ注意情報(北信地域振興局林務課HP)

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