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vol.2

大北地域の「輝く☆看護師さん」紹介
vol.2

全国的に看護師不足と言われていますが、大北地域も例外ではありません。そこで少しでも看護師さんの魅力を知っていただき、特にこれから就職を考えている若い方に看護師を志してもらいたいということで、大北地域の医療機関で活躍する看護師さんを紹介していきます。第2回目は市立大町総合病院の善明(ぜんみょう)空来(そら)看護師さんです。

看護師もスノーボードも全力投球!

市立大町総合病院 善明 空来 看護師

Qこれまでの経歴を教えてください。
―今年26歳になります。出身は京都市です。
京都の高校、3年制の看護学校を卒業後、京都の病院に就職して、透析室2年半、整形外科病棟に1年勤務しました。その後大町市に引っ越し、昨年の8月から大町病院の急性期消化器外科病棟に勤務して約1年になります。

Qどうして京都から大町市へ来られたのですか。
スノーボードがしたくて、大町市へ移住しました。スノーボードは父の影響で小学校5年生から始めました。中学校2年生の時、中本優子さんというスノーボードのテクニカル競技の女王と言われている、すごい人を知りました。ちょうどそれが自分の進路を考えていた時で、中本優子さんみたいな人になりたいと思ったことがきっかけです。そこで高校卒業して専門学校卒業して看護師になって3年働いて…約10年後の25歳で山に籠る計画を立てました。
その後、ご縁があり中本さんと食事に行った際、「スノーボードがしたいのなら、スクールにおいでよ」と声をかけていただきました。大町には移住せず、夏は京都、冬は大町で働きながらスノーボードすることも考えたんです。でも看護師とスノーボードの二足の草鞋を両立させるためには、やっぱり京都は厳しかった。自分に保険を掛けたくなかったというか、数年でもいいからしっかりスノーボードに軸足を固めてこれだけは頑張ったというものがなければだめだなと思って。なので大町に移住しました。

Q大町病院に就職されたのはなぜですか。
―就職先は松本あたりから大北地域の病院で探しました。大町病院に就職を決めたのはワークライフバランスを重視した働き方をバックアップしてくれるところでした。私だったら夏は看護師中心、冬はスノーボード中心。他にも仕事をしながら介護や育児中心にして働いているスタッフがいるということを聞いて、非常勤という形にはなるのですが、今の自分にとってはぴったりの働き方だと思って。私が所属している鹿島槍スキー場にあるAZプロスノーボディングスクールにも近いので大町病院に決めました。

Qこちらに来られて1年になるということですが、どのような生活でしたか。
5月から11月は常勤の看護師と同じように週5勤務で働いています。グリーンシーズンはスノーボードはしないです。12月から3月は鹿島槍スキー場、4月は姉妹校のスクールがあるスキー場で滑っています。スクールの業務内容はレッスンや事務作業、その他にもスキルアップや大会のために空いた時間で練習しています。

Q冬はスノーボードだけの生活ですか。
毎日スノーボードしています。そこにプラスして週2~3回準夜勤で16時30分から夜中の1時まで働いています。準夜勤の前も滑っています。結構ハードです。冬のあいだは休みはほとんどなかったですね。夏のあいだは師長さんがシフトを組んでくださるので休みがありますが、冬は全部自分でスケジュールを組まないといけないので頑張りすぎるとカツカツになってしまいます。

Q大町市に住んでみてこの地域の魅力は。
夏は本当に涼しいですね。初めて大町の梅雨を経験しましたが、長袖でないと寒いくらいでびっくりしました。それから野菜やお肉、食材が新鮮でおいしいです。最近はおやきにすごくはまっています。昔は苦手意識がありましたが、初めて食べたいろは堂のおやきに感動して、そこから縄文おやきや生坂村のかあさんちのおやきなど色んなおやきを食べに行ってます。木崎湖の近くにある「儘に/mamani」というお店のネオおやきがお気に入りです。

Q看護師を志した理由は。
母親が看護師だったので、専業主婦から看護師に復帰するとなった時にスムーズだったということ、働きながら子どもたちとの時間を作っていた母の姿を見て、いいなと思って看護師を選びました。

Q看護師としての目標は。
ジェネラリストになることです。大町病院に来て自分の知識の少なさを痛感しました。透析と整形外科の知識しかない中で、消化器外科に配属されましたが、消化器外科の患者さんだけじゃなく、内科や泌尿器科、皮膚科、色んな患者さんがいて、今までの知識が使えないのが本当に悔しかったです。また、京都で生まれ育ったので最初のころは大北地域の方言が聞き取れず、患者さんとのコミュニケーションにも苦労しました。大北地域に根ざした、なくてはならない病院だからこそ、広い疾患を看られる看護師は強いと思います。なのでジェネラリストになることが今の目標ですね。

Qスノーボーダーとしての目標は。
JSBAのデモンストレーターになることと、オガサカのライダーになることです。今はJSBAのB級インストラクターですが、A級インストラクターを取得して30歳までにJSBAのデモンストレーターになりたいです。

Qこれから看護師を目指す若い人に一言いただけますか。
―今の時代、看護師も自分が何をもってキャリアを積んでいくかというのは人それぞれだと思います。看護師はライフステージによって働き方が変えやすい、どこでも働けるチャンスがあります。それは自分の選択肢や人生の幅を広げられるということだと私は強く感じています。いいお仕事だと思います。

取材後の感想
中学校から雪山にこもりたいと思っていたほどスノーボードが好きな善明さんですが、京都から大町市に移住するというのは、相当な覚悟があったと思います。お話をお聞きする中で、スノーボードだけでなく看護師の仕事も一生懸命取り組んでいらっしゃることがわかりました。ぜひ、二足の草鞋を両立させて看護師としての目標とスノーボーダーとしての目標を達成してほしいと思います。

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