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Vol.50■読まなきゃチョーソン市町村 祭り街道の里

多彩な文化が花開く 祭り街道の里【阿南町】

下伊那郡阿南町は、愛知県と接し、静岡県にもほど近い県境の里。三河地方文化に触れ、多彩な民俗芸能や祭りを継承してきたことから、町を南北に走る国道151号は、「祭り街道」と呼ばれているんです。
「祭り街道」には、国・県が無形民俗文化財として指定した民俗芸能・祭りがたくさんありますが、その中から、夏祭りを紹介しましょう。


深見の祇園祭りの水上花火は迫力満点


【深見の祗園祭り】7月25日
阿南町東条 諏訪神社及び深見池


華やかな水上花火

山里の湖で開かれるこの祭りは、筏舟の上で厄払いが行われ、打ち上げ花火が湖面に美しく映えます。
神社から神輿が湖へと向い、筏に乗り移ると提灯がともされ、筏が岸を離れると花火が打ち上げられて、湖上で祭典が始まります。
周辺の地形がすり鉢状になっているので、湖上スターマインや水上花火は大音響で迫力満点。


さらには、櫓に仕込んである大三国花火に火が点けられ、人々は火の粉を浴びながら踊りまわります。


火の粉が踊り手に舞い落ちる

【和合の念仏踊り】8月13〜16日 毎晩午後8時〜10時
阿南町和合 林松寺、熊野神社
300年前から続くと言われている盆行事。1年間の全精力を爆発させるかのように激しい拍子に合わせ、踊り手が力いっぱいに飛び跳ねる、躍動の踊りで無病息災を祈ります。
踊り手が神社境内などへ入っていくことを「庭入り」と呼び、太鼓、鉦(かね)、ささら(板状の竹を編んだもの)の重なり合ったかん高い音と、裸足になった男たちが威勢良く体をぶつけ合う動作が重なり、見る者を圧倒します。
その激しい踊りの速さは、笛で拍子をとっているんですが、笛には小学生も参加しているんですよ。


1年間の溜まっていた全精力が爆発するかのよう


【新野の盆踊り】8月14〜16日 毎晩9時〜翌朝6時頃
阿南町新野
500年以上の歴史があり、お盆の3日間、夜を徹して踊り明かします。この盆踊りは、一般的な盆踊りと違って笛や太鼓といった楽器は一切使いません。
櫓(音頭台)を設け、その櫓を取り囲むように踊り子が長い輪をつくります。櫓の上の「音頭取り」と呼ばれる人たちの声に合わせ、踊り子が踊り唄を返すもので、声だけで踊りが進められます。そのまま朝まで唄い踊り続けるんですよ。


櫓を取り囲む踊り子たち

また、輪になって踊る輪踊りと行列で踊る行列踊りの両方の形をそなえている点が古い盆踊りの形だと言われています。
踊りの輪には老若男女を問わず誰でも参加することができ、人々が拍子を揃えて踊る様子は壮観で、最も賑やかなときには踊り子は2千人に達するんですよ。

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