じょうしょう気流 「上小(じょうしょう)地域」と聞いて、みなさんは長野県のどの地域を思い浮かべますか?「上小地域」は、上田市、東御市、小県郡長和町、青木村の2市1町1村からなり、群馬県の西側に接する地域です。「上小」には自然、歴史、文化、おいしい農産物など、さまざまな魅力がありますが、それらを上田合同庁舎の職員の目で見て綴り、皆さんにご紹介してまいります。

じょうしょう気流

「上小(じょうしょう)地域」と聞いて、みなさんは長野県のどの地域を思い浮かべますか?「上小地域」は、上田市、東御市、小県郡長和町、青木村の2市1町1村からなり、群馬県の西側に接する地域です。「上小」には自然、歴史、文化、おいしい農産物など、さまざまな魅力がありますが、それらを上田合同庁舎の職員の目で見て綴り、皆さんにご紹介してまいります。

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上小地域の素敵な建物②(信州大学繊維学部)

上小地域の素敵な建物②では、文化庁の登録有形文化財にもなっている信州大学繊維学部講堂を紹介します。

よく知られたことですが、信州大学繊維学部の前身は、全国唯一の官立蚕糸専門学校として1911年(明治44年)にこの上田の地に開かれ、養蚕・製糸に関する優れた指導者を輩出してきました。
1949年(昭和24年)の学制改革により信州大学繊維学部となり、現在も繊維・素材について屈指の学術機関として、特にナノファイバーの分野においては世界的にも最先端の研究が続けられています。

そんな、歴史のある大学の講堂が登録有形文化財になっていると聞き、早速大学事務室の担当の方(案内までしていただいたのにお名前をお聞きするのを忘れてしまいました。すみません(汗))に見学の申し入れをしたところ快く応じていただきましたので、カメラを片手に見学に行ってきました。


設計者は当時の文部省建築課の柴垣鼎太郎(しばがきていたろう)で1929年(昭和4年)に完成しています。

柴垣鼎太郎が設計に関わったとされる学校建築は全国に数多くありますが、外観は同時期の昭和初期に建築されたアール・デコ様式のモダンなお茶ノ水女子大学本館や千葉大学医学部本館などとは少し趣の違った木造ゴシック風の建物です。

外壁も当時流行したスクラッチタイル貼りではなく下見板張りとなっており、外観や張り出した窓などは直線基調のセセッション(Secession)スタイルとなっています。

では、講堂の内部を見てみましょう。

折り上げの格子天井の内部です。随所に彫刻された左右から張り出したギャラリーが重厚な雰囲気を醸し出しています。


蚕糸専門学校の象徴としてギャラリー下部の方杖には桑の葉をモチーフとした彫刻が施されていました。


ホワイエの天井部分です。ここにも彫刻があります。蚕の成虫と真中にあるのは繭でしょうか?


ステージの演台にもおしゃれな蚕の彫刻がありました。


ステージから見た客席部分です。卒業式やオープンキャンパス等では学生たちで賑わうそうです。

この建物を使って松本清張の「氷点」や司馬遼太郎の「坂の上の雲」をはじめ、映画やドラマのロケが数多く行われているそうです。


講堂の壁に設計図面(複写品?)が展示されていました。

コピー機もCADも無い製図板とT定規と鉛筆による手描きの時代に描かれた図面をみると、描かれた線の一本一本に設計者の建築への思い入れが伝わってくるようです。

現在はほとんどの官庁で公共建物の設計業務を民間委託することが主流となっていますが、当時はすべての設計業務を官庁の設計担当者が直営により行っていました。

近代建築の礎となるような建物を造るために日夜努力していた先人達の熱い思いが図面からも読み取れ、時代は変わっても建築技術職員の端くれである私も見習わなければ・・・という気持ちになりました。

場所は信州大学繊維学部の正門を抜けて100mほど歩いた右側にあります。
大学のキャンパス内ですので、正門脇の守衛室に申し入れてから見学なさってください。

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