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ヒナを拾わないで~『ひよっこ』の物語を最後まで見届けよう

NHK連続テレビ小説『ひよっこ』を録画して毎日見ています。

そんなことをするのは『あまちゃん』以来です。

昭和40年前後、まだ高度成長の続くころの日本。主人公のみね子(有村架純)は茨城の山あいの村から集団就職で東京に出てきます。みね子の前には次々といろんな年上の女性が現れます。みね子は彼女たちのいいところを吸収し人間的に成長していきます。

母(木村佳乃)からは根本的な承認をもらいます。これは人が生きていくうえで必要な自尊心の基になるものです。母は尊敬すべき人ですが、変化の激しい時代にあっては、農村の外部を知らない母は、生き方のロールモデルとしては不十分です。

東京で最初に出会ったのは乙女寮の舎監である愛子さん(和久井映見)です。会社という大人社会と大人未満の存在であるみね子たちを媒介する中間的なお姉さん的存在です。みね子が失敗しても「なんとかなる」と笑顔でうそぶくこの人からは、困難を乗り越えるために必要な楽観性をもらいます。

次に出会ったのは洋食店のオーナー牧野さん(宮本信子)です。身元も定かでないみね子を雇い、アパートを借りる際に保証人にもなってくれました。この人が教えてくれたのは人を信頼する力です。近代的な都市は見知らぬ他者の集まりです。他人を信用しなければ生きていけません。根拠が不確かでも人を信頼する能力が求められます。

次に出会ったのはアパートの大家さん(白石加代子)です。元芸者でちょっと不思議な人です。この人が教えてくれるのは女性のもつ神秘性です。人は、わかりやすさだけでは魅力的とは言えません。わけのわからないところが人をひきつけるのです。みね子は素直な子ですが、それだけではどこかもの足りない。さらに女性としての深みが加わるきっかけになるでしょう。

みね子はこの他にもあと何人かと重要な出会いがあると思います。そして、人生の宝となる資質をその人たちから吸収してゆくことになるでしょう。ただし、いまのところ彼女たちとの出会いはみね子の主体的な行動によるものではありません。向こうからもたらされたものです。おそらく一番肝心な出会いは、みね子の積極的なはたらきかけの結果、もたらされるでしょう。

もうひとつ、みね子には父親の存在が欠如しています。出稼ぎで東京に出た父(沢村一樹)は行方不明になってしまったのです。当時それを「人間蒸発」と呼んでいました。父との再会が、最後に埋めるべきピースになるでしょう。

 

テレビドラマ評が長くなりましたが、この話はまたあとで出てきます。

 

少し根本的なことを話します。

小さい子どもってかわいいですよね。

自分の子どもばかりでなく、他人の子どもでも、ついあやしたくなります。

なぜでしょうか。

考えてみれば、人間ばかりでなく、他の生き物の子どもだってかわいいですよね。

テレビではよく「動物の赤ちゃん大集合」なんていう番組をやっています。

コンラート・ローレンツ(動物行動学)によれば、赤ちゃんには形態的な特徴があります。体に対して頭が大きい・額が大きい・目が大きく丸く、顔の低い位置にある・鼻と口が小さく頬がぷっくりしている等です。逆に言えば、そういう外見をしていると、幼く見えるということです。これを、ベビースキーマといって、人のものの見方の枠組がそうなっているということです。

子どもがなぜかわいいかということの答の一つは、子どもは無力なので、かわいらしさという武器で大人の保護を誘発しているというものです。自分の遺伝子が関与していない他人の子どもでもかわいいと思うということは、それがとても強力な訴求力をもっているということです。

肝心なのは、ベビースキーマは種(しゅ)を超えているということです。ネコの赤ちゃんをかわいいと感じても、人間の生存に有利ではありません。(ネコがヒトの子どもをかわいいと感じるかはわかりません。)おそらく赤ちゃんは生物学的な条件によりそのような形態的な特徴をもって生まれてきたのでしょう。人が他の生き物をかわいいと思うのは、自分の種からの類推ではないでしょうか。それがとても強いものなので、人間以外の生き物でも保護せねばと錯覚してしまうのでしょう。

 

私たちのところには、「野鳥のヒナがいるけど、どうしたらいい?」という問い合わせがしばしばあります。

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