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光る!職人の技 ~諏訪地域の伝統的工芸品を訪ねて~

商工観光課のファイブピークスです

突然ですが・・・
長野県指定の伝統的工芸品(注※)のうち諏訪地域で指定を受けているものは何かご存じでしょうか???

(注※):日常生活の中で古くから使われてきた工芸品であり、今もなお伝統的な原材料を使い、伝統的な技術・技法により手工業的に製造されているもの。(伝統的工芸品は国(経済産業大臣)指定と長野県(知事)指定の2種類があります)

正解は「信州鋸(のこぎり)」です。
信州鋸は、江戸時代、高島藩御用の鋸の製造が起源といわれ、鍛造に適した八ヶ岳山麓の気候と豊富に産出する鍛冶用松炭により発達したとされています。
昭和58年10月13日に知事より「長野県指定の伝統的工芸品」の指定を受けました。

今回は、信州鋸を製造し信州の名工に指定されている両角金福(もろずみ かねひろ)さんの工場にお邪魔し、お話を聞いてきました。
「うちは工場も製造工程もぜーんぶオープンだよ」と言って工場の中を隅々まで見せていただきました。
現在、信州鋸組合の組合員は、組合長の両角さんを含めて2人しかいらっしゃらないそうです。
両角さんは、工業高校を卒業して約60年、たゆまぬ努力を積み重ね、時には隣県の同業者の工場へ出かけて勉強をするなど、日々のこぎりの製造技術を極めてきました。

この手をご覧ください。やすりがけの繊細な動きとリズムは、機械では成し得ない60年間積み重ねた「職人技」です。
我々に作業工程を説明しながら道具を持って実演してくださる時は、キリッと職人の顔に。
しかし、今の一般住宅はハウスメーカーが主流となったことや、電動のこぎりの普及などにより、大工さんがのこぎりを使うことはほとんどなくなってしまいました。
「今は、新しく作るのこぎりはほとんどないんだな~。修理の方が多いかな」と両角さん。
「のこぎりを作る材料は、我々が使うような少量では販売されていないんだよ。なので廃業した工場から引き取ったものや、今うちで持ち合わせているだけしかないから、これがなくなったらのこぎりを作るのも終わりかな」とも。

事務所には“なぎ鎌”が飾られていました。これは諏訪大社上社の御柱の木を切りだすときに使われる独特な形の刃物で、毎回御柱の前年に大社からの依頼で作っているそうです。
なぎ鎌は、のこぎりの製造技術を生かして作りますが、材料はのこぎりと違うSK材というものだそうです。こちらは地元の方々が協力して作っており、現在30名ほど仲間がいらっしゃるそうです。「後継者も育ってきているし、引き継いでいってくれそうだよ」とおっしゃっていました。

両角さんいつまでもお体を大事に。これからもがんばってください。

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