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縄文人の足跡


富士見町立沢の農道工事に先立ち、昨年度より埋蔵文化財の発掘調査を行っています。
富士見町には数多くの遺跡がありますが、ここ立沢は縄文時代の遺跡が集中していることで知られています。
なかでも札沢遺跡は縄文時代中期(およそ5千年~4千年前)のムラの跡です。かつてここから掘り出された土器のうち一点は長野県宝として県立歴史館に、今一点は全国的にも貴重な土器として東京国立博物館に収蔵されています。


凸凹した砂利道は花卉、野菜の出荷時に荷が傷み、大雨が降ればその度に砂利が流され苦労が絶えません。農家の皆さんの要望により今年度農道舗装を行います。


工事で掘り起こす前に富士見町教育委員会へ発掘調査の依頼をしています。
昨年は住居や穴が11箇所確認されました。


今年は7月の炎天下での調査でしたが調査員の方々の表情も真剣です。この時、縄文時代中期後葉の土器がほぼ完形で出土し、新聞記事としても掲載されました。


約4200年の時を経て縄文時代の土器が姿を現しました。


関東地方を中心に分布した「賀曽利(かそり)E式」という深鉢土器で、八ヶ岳山麓でほぼ完全な形で出土するのは珍しく、関東との交流について探る貴重な資料になりそうとのことです。
富士見町の学芸員さんによれば、土器は副葬品の可能性があり、墓には関東に縁のある人が埋葬されていたとみているとのことです。土の酸性度が高いため人骨は残っていなかったと言うことですが・・・


これは先ほどの土器より少し離れたところで出土した別の深鉢土器の把手部です。人の顔模様に見えます。


裏返すとまた違った顔になり、笑っているかのようです。学芸員さんによれば目の部分に黒雲母のような石が埋められており、意図的に顔の模様を作ったのではないかと。
通常はこのように土器はバラバラにして埋葬するようです。


昨年に引き続き今年の発掘調査でも住居跡や土壙を含む小竪穴、土器石器が出土しました。発掘調査は現在終了し、報告書のとりまとめ作業に入っています。
遺跡周辺ではキャベツ、ブロッコリーなどの高原野菜の他にカーネーション、菊などの花卉類も生産されています。
目を閉じれば4200年前の縄文時代の先人達の暮らしぶりや思いを学び、浪漫を感じとることができます。

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