2011.02.17 [創作染工房 久(飯田市)中島いづみさん]
着物以外で、型染めの体感を
型自体は、今はもう使っていません。これを原案にして、シルクスクリーン(薄いフィルムを使った版材。版自体に柔軟性があるので、曲面印刷も可能)に起こしたものを使っています。以前は型を使っていましたが、傷んだり、破れてきたりすると彫り直さなきゃいけなくなるので、使えなくなりました。今は、彫る人も少なくなってしまって…手彫りのものなので、使うのがもったいなくて。
パターンは無数にあって、本当にいろんな型があります。ブランド化するにあたっていくつかパターンを出してきて、着物の見本生地を見ながら、デザインをしていただける方に選んでもらいました。バラのパターンも以前からこういう型でありました。昭和の初期のもので、ボロボロになっていて使えなかったので、それをスクリーンに起こして復活させたんです。
-素材は今も改良を重ねているとのことですが。
今は特殊な糊を使って貼っているんですが、もう少し耐久性を高めるために、先日、こんにゃくの糊を和紙にひいてもらいました。水にも強いし、摩擦にも強いということなので。こんにゃくの糊がどういう結果になるかはまだわからないのですが、テカテカ光ることもなく、見た目は変わりません。塗っているのは表面(絹)ではなくて裏面(紙)ですね。使っていると少し毛羽立ってくるのが気になるので、その対策として試しているところです。商品としては素材の丈夫さを出したいというのが今の課題です。
中島さんが実際に使っている「KINU*WASHI」のバックを見せてもらうと、柔らかい手触りに少し驚きました。見た目からは紙の感触をイメージするのですが、「使っているうちに柔らかくなってくる」と中島さん。より使いやすい商品にするためにまだまだ試作を重ねる「KINU*WASHI」。次回はブランド化するまでの過程や型染めへの思いなどを伺います。
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