2012.08.29 [ 研究日誌環境保全研究所飯綱庁舎 ]
アオマツムシ鳴きだしました!
長野市内安茂里地区の数カ所で、8/23の午後7時ころに外来種のアオマツムシ(マツムシ科)のリーリーリーという鳴き声を、本年度はじめて聞きました。
残暑きびしい折りで、市街地ではセミの鳴き声が本番という昨今、本種は昨年度と同じ時期に鳴き始めました。ちなみに、平成23年の初聞きは同じ安茂里地区で8/24、平成22年は8/23でした。まだ、うるさくなくほどではありませんが、9月を中心にこれから10月いっぱい樹上でうるさく鳴きます。昨年最後に聞いたのは、11月12日でした。ここ数年から10年のあいだにどこでも聞ける種類となっています。
アオマツムシは1898年に東京赤坂で初めて記録された中国杭州地方を原産とする外来種とのこと。長野県ではじめて記録されたのは1980年に南木曽町で、伊那谷では1984年、長野市では1983年とされています。それ以後、急速に分布を拡大し、どこの市街地でも聞ける様になっています。卵から成虫になっても樹上で生活します。幼虫も成虫も木々の葉の表面をはむように食べますが、食害というほど顕著ではありませんが、場合によっては、葉が枯れていることもあります。
コオロギなど在来の秋の虫は、地上か少し上の草むらで鳴く種類が多いのですが、アオマツムシは植木や街路樹などのやや高いところで鳴きます。しかも、心地よい鳴き声というより、うるさいなと感じますので、いままで聞いたことがないようなうるささの鳴き声をきいたら、それがアオマツムシです。樹上生活者ということで在来の種との競合があまりなかったことで急速に分布拡大したこと、また、温暖化により拡大傾向にあるともいわれています。昆虫の分布域に関しても、ツマグロヒョウモンなどにも見られように、大きく変化しています。(自然環境部大塚)
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