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大切な人に本を贈りませんか?(FMぜんこうじ「図書ナビ」第9回)

みなさま、こんにちは。県立長野図書館の森です。FMぜんこうじの「ひるどきもんぷらワイド」、 2023年12月12日(火)に放送された、「図書ナビ」コーナー、第9回目の内容をご報告します。

オープニングトーク:12月の雨、あたたかなスタート

中川睦美さんの「ひるどきもんぷらワイド」、スタジオの中は真っ赤なポインセチアや小さなツリーが飾ってあって、クリスマスの雰囲気です。スタジオの外は、12月にしては珍しくあたたかで、雨が少し降っています。実は今日はスマホを忘れてきてしまったのですが、なんと中川さんも忘れてきたそう。可笑しなところで気が合っちゃう二人でした。

県立長野図書館玄関ホールのクリスマスツリー

今日のテーマは?「大切な人に本を贈りたい」

中川さん:今日は「大切な人に本を贈りたい」ということですが…とっても素敵なテーマですね!

:これまで、わりとイマドキというか、電子書籍の話題も多かったのですが、今日は改めて紙の本の魅力について、じっくり語り合えたらいいなと思います。中川さんは、誰かから本をプレゼントされたり、誰かに本をプレゼントしたことはありますか?

中川さん:二つ、とても印象的なことがありました。

一つは、湊かなえさんの、『城崎へかえる』という本です。ネットでどこでも本が買える時代ですが、この本は兵庫県の城崎温泉でしか売っていないんです。蟹脚のモチーフの細長ーい本で、NPO法人の「本と温泉」が企画しているそうなんですね。とても温かい気持ちになれる本です。

もう一つは、大ゲンカした後に貰った『100万回生きたねこ』。この二つが、とても印象に残っています。

:わぁ、素敵ですね。「ここだけ限定」っていうのがとてもイイです。そして「大ゲンカしたあと」…本って、読んだ時のシチュエーションと結びついて記憶していることも多いですよね。

私は、長崎県の生れですが、小学5年生の時に初めて東京に遊びに行きました。父と二人で、寝台車に乗って。東京でどこに行きたいか聞かれて、「八重洲ブックセンターに行きたい!」といいました。ものすごく沢山の本があると聞いていたんです。小学5年生といえば10歳なので、ずいぶんおませだった気がしますが、当時の長崎市には図書館がなくて、学校図書館ではめぼしい本は読みつくしていて。当時日本最大といわれた本屋さんに、憧れていたんですね。

実際に行ってみると、壁面全体に「岩波少年文庫」が並んでいて、「これ全部読みたい!もう、ここに住みたい!」って思うほどでした。

中川さん:森さんの小学生の頃、思い浮かぶようです。その時は、どんな本を買ってもらったんですか?

:『アラビアン・ナイト』の上下巻です。早速、帰りの寝台車の中で、夢中になって読んだことを覚えています。

岩波少年文庫にはもう一つ思い出があって、大学生の頃、岩波少年文庫の創刊40年記念で、特装版が出されました(1990年)。『くまのプーさん』とか、『メアリーポピンズ』とか、『古事記』なんかも入っている30冊セットで、ウィリアム・モリスの表紙がとても綺麗な装幀だったんです。今日も一冊持ってきました。

中川さん:素敵ですね!本当に綺麗な花柄です。

:でも、当時の私は大学生で一人暮らしで、お金はないし、置いておく場所もないし、諦めたんです。でもずっと忘れられなくて。数年前に夫が古本を探して、プレゼントしてくれました。ほとんどの作品は既に読んでいたのですが、本当に嬉しかったです。

中川さんもお話しされていたとおり、「本」って、書いている中身を「情報」として読み取るだけではなく、その外側のパッケージを含めた物理的な形あるものへの愛着があるんですよね。リスナーの皆さんも、いろいろな思い出のある本があると思うのですが、この冬、大切な人に本をプレゼントしてみるって、いかがでしょうか?
同じ場所にいて、一冊の本を一緒に読むのもいいし、離れていても、同じ本を読んで、感想を話し合ったりするのも、素敵じゃないかなと思います。

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