2020.11.10 [ 北信農業農村支援センターからのお知らせ ]
北信農業農村支援センター便り⑫「飯山市の伝統野菜坂井芋の出荷が最盛期を迎えています」
千曲川沿岸、飯山市木島の坂井地区では、信州の伝統野菜に選定されている、「坂井芋」と呼ばれる里芋の栽培が行われています。
今年は梅雨にしっかりと雨をもらって生育は順調に進み、芋の数、大きさも十分なものに仕上がっており、収穫も最盛期を迎えています。
栽培の始まりは江戸時代にさかのぼり、度々千曲川の氾濫に悩まされていた坂井地区でも収穫が可能な作物を模索した結果、定着したと伝えられています。
現在坂井芋は、JAながの木島里芋研究会に所属する16戸の生産者によって、2.5ha余りで作付されています。当センターでは栽培技術の指導や、種芋の大きさによって、収穫量や品質等にどのような違いが出るかといった調査研究を行っています。
また、研究会と連携して、坂井芋としての特徴を持った種芋の保存に向けた取り組みや、おいしい信州ふーどの取組のひとつとして、調理方法の提案や加工を含めた販売方法の検討による、消費拡大支援もしています。
掘り上げるのも一苦労ですが、芋同士が土をしっかりと掴んでいて重いので、運ぶのも大変です。
土を落とした様子。反った形が坂井芋の特徴です。規格ごとに選別されて商品になります。
この坂井芋、川の堤防を挟んで外側の畑と内側の畑で、味が変わると言われています。先日、地元の小学生を対象とした収穫体験の際に行われた食べ比べでもその差は歴然で、どちらの方が美味しいか論争が盛り上がりを見せていました。特に堤防の外側(河川が流れている側)で栽培されたものは肉質がきめ細かく、むっちりとした噛み応えに強い粘りが印象的で、他の里芋とは違った美味しさを感じました。
交流会の様子
坂井芋の出荷は3月頃まで続き、JAのAコープや道の駅(花の駅千曲川)等で販売されています。また、郷土料理を提供している「味蔵月あかり」(※)でも、坂井芋を使った料理を味わうことが出来ます。11月からは、坂井芋を使ったコロッケの販売が開始されました。こちらはテイクアウトもできるそうです。
ところで、坂井芋等の里芋に含まれる代表的な成分のひとつ「ガラクタン」(里芋のヌメリを生み出す成分でもある)には、免疫力を高める働きもあるようです。新型コロナウイルス感染症拡大が心配される中、旬を迎える坂井芋を食べて、この冬を健康で乗り切りたいですね。
北信地域にお立ち寄りの際は、是非ご賞味ください。
※味蔵月あかり:飯山市飯山2941-1(TEL0269-67-0188)
このブログへの取材依頼や情報提供、ご意見・ご要望はこちら
北信地域振興局 総務管理課
TEL:0269-23-0200
FAX:0269-23-0256