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諏訪湖アートリング第12回「諏訪湖博物館・赤彦記念館」

二階右側「赤彦記念館」では、諏訪が生んだアララギ派の代表的歌人 島木赤彦の生涯を紹介しています。



島木赤彦(本名:塚原俊彦)は、諏訪市の下級武士、塚原家に生まれ、茅野市豊平で育ち、下諏訪町の久保田家に養子として迎えられました。そして師範学校を卒業し、北安曇郡池田会染尋常高等小学校に教師として赴任します。そのころの若い頃の大志を抱きながらも家族を養う為に働くという理想と現実の葛藤を書きつけた文章が博物館に残されています。

次に赴任した、玉川尋常高等小学校(現在の茅野市)では、ホトトギス派の俳人、岩本木外と出会い、同人誌「氷むろ」を創刊しました。このことは明治時代を代表する歌人・俳人である正岡子規とつながるきっかけとなり、後の赤彦にとって大きな転機となりました。また、赤彦が短歌を志すと決めたのもこのころと言われています。

その後、高島尋常小学校(現在の諏訪市)教頭となった赤彦は、小説「野菊の墓」でも著名な歌人、伊藤左千夫と師弟関係を結び、短歌雑誌「馬酔木」に参加します。そして「馬酔木」は「アララギ」に発展し、広丘尋常高等小学校長、玉川尋常高等学校長を経て諏訪郡視学にまで登りつめた教職を辞して東京に移り住んだ赤彦は、その中核として活躍していきます。

晩年は、童謡も意欲的に制作し、手がけた数は、生涯で114編に上っています。「教員」「歌人」のほか、「童謡作家」としての赤彦の顔も垣間見ることができます。

大正15年、49歳の生涯を終えることになる赤彦は、生涯で約5,000首の短歌を残しています。数は、他の歌人に比べて決して多くないそうですが、生まれ育ってきた家庭環境や諏訪の寒く厳しい自然環境が織りなす作風は、時代を越えて多くの人々の心を惹きつけています。



ここ「赤彦記念館」では、このような赤彦の生涯を示す資料や生前の愛用品など、ここでしか見られない貴重なものが展示されています。

お土産には、黒曜石を使ったアクセサリーが人気です。来場の記念にぜひお買い求めください。



最後に、開館20周年を迎える「諏訪湖博物館・赤彦記念館」の特別企画について御案内いたします。

【特別企画その1】
7月26日(金)から9月23日(月)の間、特別展として「箱 筥 匣 ~土岐千尋 箱物語~」が催されています。




土岐さんは茅野市に工房を構える地元の作家で、伝統工芸の技法をベースにしながらも滑らかな美しい形体で箱・伝統工芸の域を超えた芸術品を手がけていらっしゃいます。

蓋の閉まった全体の形で展示されているのに加えて、蓋を開けた様子の写真カードも用意されています。親切な心配りが感じられます。

【特別企画その2】
「諏訪湖まちじゅう芸術祭」アートリングシンポジウムの一環として、9月14日(土)午後2時から、建物の設計者、伊東豊雄さんによる講演会が予定されています。

伊東先生は、お父さんの故郷である下諏訪町で中学生まで過ごしており、そのときの経験が博物館のモチーフになったとのことです。

東日本大震災後、復興に対して積極的に関わられ、「人と建築」に新たな思いを抱かれているとのこと、ぜひお話をお聞きしてみたいですね。

【特別企画その3】
10月25日(金)から12月15日(日)の間、「立川流本家最後の彫刻師 立川尚冨の彫刻 そして現代 ~今につたえる立川流彫刻の技法~」が予定されています。

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