2017.03.25 [Route Design合同会社代表 津田賀央さん]
二地域居住×山の日サミット vol.3
津田さん)
ヨーロッパ、特にドイツでは環境教育はすごく進んでいます。アメリカもまだ一部だろうと思うんですが、それと比べても日本の環境教育は遅れているように思います。でも近年、少しずつ動きもあって、県でも「自然保育」などに力を入れ始めていますよね。そういうところから、意識は変わっていくんじゃないかと思います。
松井さん)
サミットで登壇していただいた皆さんからのメッセージは「知ること」、そして「考えること」。まずは知ってほしいということでした。それはつまり、皆、知らないんです。だから、例えば登山をする人の共通のモラル、みたいなものも分からない。自分の些細な行動が何かの引き金になることもあるってことを教えてくれる人もいない。結局、知らないから起こっちゃうことが多すぎるんです。
津田さん)
例えばこれがサーフィンの話だったら、海に対しての責任感ってもっと高いと思うし、スケーターなら自分たちの公園を大事にしようっていう動きになっていく。結局、自分が興味を持っていることや楽しんでいることじゃないと、意識ってなかなか変えづらいんです。長野に住んでいても山に興味がない人もいるわけで、ゼロから興味を持ってもらうというのは難しい。でも、ちょっとでも興味ある人、好きな人に対して、その度合いを高めていったり、正しい知識を知ってもらったりすることなら。
- そこから変わっていくことはできる。
津田さん)
そこからじゃないと、広げていくのは大変ですよね。僕は、子どもたちを連れて、フェスやキャンプに行くんですが、「楽しかった!」という記憶が残れば、しばらく離れる期間があっても、長い目で見ればまた楽しむようになるかもしれない。自分もそうでしたから。普段から、山や自然を楽しむことで、その経験が意識の変化につながるんじゃないかと思います。
2015年12月にオープンした「森のオフィス」。「まだまだ地元の人の中にとっては『謎の施設』かもしれません」と松井さん。それでもこの1年ちょっとの間に、少しずつ受け入れてくれる人や関わる人が増えてきたと言います。「いろいろな結び付きの中に、『山の日サミット』もあって、地元のアウトドア関係の人とはつながることができました。まだ1回しかやっていないので、回を追うごとに少しずつ着実に、広がっていけば」と津田さん。芽が出たばかりのつながりが今後、どのように大きくなっていくのか楽しみです。
PROFILE
神奈川県生まれ。幼少期はアメリカ・シアトルで過ごす。2001年、武蔵工業大学環境情報学部を卒業後、大手広告代理店に勤務。2011年末、電機メーカーに入社。移住を考え始めたころに富士見町の「テレワークタウン計画」を知り、「自分自身も移住したいし、この計画をプロデュースさせてほしい」と役場にメール。その流れで2015年から東京と長野県富士見町の二地域居住をスタートさせ、Route Design合同会社を立ち上げる。趣味は山と音楽。2児の父。
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