2024.12.23 [ 東信労政事務所 ]
「多様な人材が活躍できる職場づくり」~東信地区労働フォーラムを開催しました~
こんにちは、東信労政事務所です。
日本の労働人口が減っていく中で、福祉分野やサービス業、運輸業・運送業など様々な業種で人材不足の問題が深刻化してきています。
DXなど、IT化・デジタル化による業務の効率化を進めるとともに、人材確保策として、若者・女性を中心に労働者にとって、魅力のある、働きたくなるような職場、そのための体制の整備が企業に求められています。
そこで、12月17日に上田市において、企業の人材育成やキャリアマネジメントなどの分野で活躍されている「ソフトインテリジェンス塾代表」の中川美紀先生を講師に、「多様な人材が活躍できる職場づくり ~人材確保に向け、今からすべきこと~」のテーマで、東信地区労働フォーラムを開催しました。
最初に基調報告として、長野県産業労働部から「人口減少下における人材確保対策」として、県が策定を予定している「信州未来共創戦略~みんなでつくる2050年の長野~(仮称)」における「働き方改革・人材確保対策」のポイントについて説明がありました。
① ピンチをチャンスに変える! ②今の“当たり前”を変える! ③県民みんなで変える!
の3つを基本コンセプトに、Ⅰ多様な人材の確保、Ⅱ外国人材の誘致・定着、Ⅲ人材育成の推進、Ⅳ省力化・効率化、規模拡大の推進、Ⅴ産業分野に合わせた人材確保などの具体的取組例を検討し、「私のアクション!未来の長野創造県民会議(仮称)」で県民一人ひとりが自分事としてアクションを起こすことを目指して進めていきます。
続いて、働きやすい職場環境づくりに取組む企業様の事例発表がありました。
☆コトヒラ工業株式会社様(東御市)
☆社会福祉法人恵仁福祉協会高齢者総合福祉施設アザレアンさなだ様(上田市)
☆長野働き方改革推進支援センター様(センターが支援を行った企業の事例紹介)
次に、中川先生のコーディネイトによる事例発表者、県担当者のパネルディスカッションがあり、①新卒採用、②人材定着、③多様な人材が活躍できる職場づくり、④人材育成、について各企業の具体的な取組み内容や成果などについて深掘りして意見交換が行われました。
最後に中川先生による総括・講演がありました。
中川先生のお話によると、人材定着・活躍に向けたアクションとして、人が仕事で活躍するために不可欠な視点として、働きやすさとなる「ケア(働く上で制約のある人材の事情に配慮・支援)」と働きがいとなる「フェア(貢献や意欲に対して、機会提供・処遇を公平・公正に行う)」の2つがあります。
☆「ケア(働きやすさ)」の整備としては、
・出産育児・介護等の休職制度
・時短制度
・社内託児所、ベビーシッター補助
・テレワーク
等があります。
「必要な社員が離職しない」会社に共通しているのは、最低限ケア(働きやすさ)への投資をしていることですが、①「制度はあっても使いにくい」への対応、②多様なニーズにどこまで柔軟に応えていくか、について留意が必要とのことです。
☆「フェア(働きがい)」の創出として、
・男性だから、女性だから
・時短だから、残業してくれるから
といった視点の評価ではなく、より仕事に意欲的に取り組んでもらい、組織力の向上にも繋げるアクションとして、①直接顔を合わせるコミュニケーションを増やす、②頑張る人、頑張ろうとする人、挑戦する人をフェアに評価し、どんどんチャンスを与えることが、企業価値を高め、組織力強化につながっていくとしました。
そして、人材定着・活躍する先進的な会社や職場に共通しているのは、トップや管理職の丁寧な関わりが必要で、仏作って魂入れずにならないように、トップ・管理職の意識や心遣いが重要であると力説しました。
中川先生のお話をお聴きする中で、企業が人材定着・活躍のために取り組むべき対策について知ることができ、「ケア(働きやすさ)」だけでなく、「フェア(働きがい)」の創出がモチベーション向上と組織力向上に必要だと改めて気づかされました。
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