2013.02.06 [ 職員のみつけた情報コーナー歴史 ]
「奏龍」(なきりゅう)のルーツを訪ねて~妙見寺~
地域政策課のHです。
最近のブログの記事で「奏龍」(なきりゅう)の味噌を使ったラーメンやお菓子がたくさん紹介されています。
この「奏龍」、上田市武石地区で栽培された大豆で、地元の味噌蔵が天然醸造した味噌ですが、この名前の由来となったものが武石のお寺にあるというので、行ってきました。
それが、武石小学校の隣にあるこちらのお寺。
妙見寺(みょうけんじ)といいます。
この妙見寺には、「鳴龍」という天井絵があって、応仁年間(1467年~1468年)、移転改築を伴う本堂大改修の際に狩野派の秀山信尹(しゅうざんのぶただ)により上下竜2頭が描かれたものを本堂外陣の大天井に組み込んだもので、畳10畳分の大きさがあるそうです。
この「鳴龍」ですが、日本の東西南北4ヶ所にあり、これらの鳴龍を「日本四方鳴龍」と称して、東は日光山、西は京都相国寺(しょうこくじ)、北は青森竜泉寺(焼失)、南は信濃のこのお寺のものを呼んだといわれています。
確かに山門にも「鳴龍山」の文字が。
「鳴龍」を拝見するため、本堂に入ります。拝観料100円を払って中へ。
※ここからは撮影禁止なので、市のHPの写真を引用させていただきます。
これが「鳴龍」。
HP「上田市文化財マップ」より
歴史を積み重ねてきたその絵は、描かれた当時よりも重みを増しているのでしょうか、龍もあたかも動き出しそうな迫力があります。
この絵の不思議なのは、名のとおり、絵の真下の床に引かれた線に立って手を叩くと、龍の鳴き声が聞こえるというのです。
私も早速、絵の真下に立って手を叩いてみました。すると「ビーン」というかなり大きな音が。
なるほど、龍の鳴き声のようにも聞こえます。
この音、絵の真下にいないと聞こえないとのことですが、この日は私一人で行ったので、本当に回りではこの音が聞こえないのか確かめることはできませんでした。
実はこのお寺、もう一つ不思議な部屋があります。
その部屋を「枕返しの間」といいます。
部屋の案内板によると、心良からぬ村人が無断でこの部屋に入って寝入ってしまったところ、西枕で寝ていたはずが東枕になって寝ていたということで、このことを村人が住職に話したところ、「信仰厚き者は何もないが、信仰なき者は枕を返される」と話したとのこと。これは妙見尊のいたずらかと人々が言い伝え、この部屋が保存されているそうです。
この日は晴れていたとはいえ冬の寒い日。本堂もピンと張り詰めた寒さでしたが、その静けさにしばし正座して瞑想してしまいました。(寝た訳ではありませんよ、念のため。)
久しぶりに清々しさを覚え、本堂を後にしました。
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