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みんなが幸せに生きること(FMぜんこうじ「図書ナビ」第4回)

みなさま、こんにちは。県立長野図書館の森です。FMぜんこうじの「ひるどきもんぷらワイド」、 2023年7月11日(火)に放送された、「図書ナビ」コーナー、第4回目の内容をご報告します。

今回はなんと、長野市立三陽中学校から、2名の生徒さんが職場体験に来ていて、とても賑やかにトークが進みました。

中川睦美さんからは、「図書ナビ」に対する感想がメールで届きました!というご報告も頂きました。「図書館のあたらしい可能性を感じてくださっている」とのこと、とても嬉しいです♪

新しいサービス「アクセシブルライブラリー」が始まりました!

中川さん:今日は、図書館のどんなことを教えていただけますか?

森:今回は、スマホで本が読める電子書籍のうち、視覚に障害をお持ちの方むけのサービス「アクセシブルライブラリー」が始まりましたので、ご紹介したいと思います。

簡単に言うと、スマホなどで、書籍の内容を耳で聞けるサービスです。
2019年に「読書バリアフリー法」という法律が出されました。障害の有無に関わらず、すべての人が読書による文字・活字文化を楽しめるようにするための法律です。さまざまな障害のある方が、利用しやすい形式で本の内容を読んだり聞いたり理解しやすかったりすること(つまり、アクセスできること)を目指しています。そこで、本を書いた人の権利:著作権にも配慮しながら、今回長野県内で使えるようになったのが、「アクセシブルライブラリー」なんです。

「視覚」の「障がい者手帳」をお持ちの方に向けたサービスで、読書バリアフリーの実現のために、賛同してくれた著者や出版社さんの小説やビジネス書、専門書など、1万6000冊の本がそろっています。電子的な合成音声で読み上げてくれるんですが、自分好みの声を選ぶことができます。声の種類には、「アニメ声」、「はきはきした声」、「穏やかな声」などがあって、速度を自分で速くしたり遅くしたり、調整することもできます。

中川さん:好みの声が選べるのは面白いですね!どちらの図書館で申し込めますか?

森:現時点では、試行的に長野市立長野図書館坂城町立図書館県立長野図書館の3か所で利用カードの発行を行っています。長野市立長野図書館は、詳しい案内も出されているのでご参照ください。
ほかの市町村の図書館でも、だんだん窓口が増えていくと思いますので、気になった方は、お住いの自治体の図書館に、問い合わせてみていただければと思います。

森:耳で聞きやすい声、ということで、わたしからも中川さんに聞いてみたいんですが…
ラジオって、耳で聞くメディアですよね。話している内容はもちろんですが、声だけでも、いろいろなメッセージが伝わると思うんですよね。親しみ、とか、明るさ、とか、やさしさ等など。中川さんが、「声」について、どんなことを考えているのか、教えていただけると嬉しいです。(中学生のお二人も、聞いてみたくないですか?)

中川さん:そうですね。私は、コミュニケーションマナーなどの研修などでお話しさせていただくこともあるんですが、「笑声(えごえ)」ということを心掛けています。これは、「笑顔」にひっかけた造語なんですが、ラジオは声だけでお伝えするメディアということもあり、微笑みを声に乗せている感じです。それから、聴いてくださっている方に、自由な想像をしていただいたいので、あんまり声に感情を込めるよりも、主張しない声を心掛けています。

森:なるほど、聴く方の身になって、声の出し方も考えているんですね。素敵ですね。

今月のおススメ本のご紹介をお願いします

森:今回は、川内有緒(かわうち・ありお)さんの、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』をおススメしたいと思います。

タイトルからして、不思議というか、「え、どうやって?」と意表を突かれる感じがしますよね。
さっき話題にした、耳で聞く電子書籍「アクセシブルライブラリー」は、文字で書いてあることを読み上げるということで、割と分かりやすいと思うんです。でも、アートって、文字や言葉で表現されたものではないから、「見る」ことでしか理解できないんじゃないかって、思っていました。だから、いったいどうやって視覚以外でアートを鑑賞するんだろう?、知りたいな、と思いました。

実はこの本を知ったのは、信州大学人文学部で、芸術コミュニケーションを専攻している学生さんたちが企画した読書会でした。
実際に読んでみると、本の中で、白鳥さんと、本を書いた有緒さんと、お友達の三人が、実際に絵を見るシーンが出てきます。
例えば、ピカソの「闘牛」という絵を見ながら、「馬がいるね」「馬が2頭いるね」「こっちの右側が闘牛士かな?」「でも、闘牛って、牛が一頭じゃないの?」「そうだったかな?」って感じのことを話しているんです。ピカソといえば、現代アートの巨匠で、写実的ではないというか、キュビズムっていうんですかね。人間でも動物でも、すごくデフォルメされているので、ぱっと見、何が描かれているのか分かりにくかったりしますが、同じ絵を見ている人どうしの会話なのに、なんだかかみ合っていないし、混乱しています。
そんな二人の混乱する様子を、白鳥さんは楽しみながら聞いているんです。(中学生の二人は、きょとん、としている感じ)

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