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【休館20日目】100年の時を越え「信濃図書館」時代へ①

12月14(金)、休館中の営業日20日目です。

複本や目録の拾い出しが終了し、書庫での作業も大詰めを迎えました。いよいよ、県立長野図書館の所蔵資料を再組織化するにあたっての主目的「信濃図書館の蔵書切り出し」に取り掛かっています

信濃図書館とは、県立長野図書館の前身にあたる“かつて実在した図書館”です。

ここで、県立長野図書館の歴史を紐解いてみましょう

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「信濃図書館」が誕生したのは1907年、今から110年ほど前のことです。1892年(明治25年)に信濃教育会が開設した「信濃教育会員図書縦覧所」を発展させる形で、1907年(明治40年)に「信濃図書館」として開館し、一般公開を行いました。図書館建設にあたり尽力したのが、鉱物学者や“五無斎”の号、蓼科高校の初代校長としても知られる保科百助です。

大正に入るころから、県営による図書館設立の動きが大きくなりました。大正13年の臨時長野県会において県立図書館の設置が決まり、長野市長門町(現在の長野市立長野図書館があるところ)に建設され、昭和4年の9月に開館の運びとなりました。 【写真】

それにともなって信濃図書館は閉館し、所蔵していた書籍14,620冊と新聞や雑誌類が県立図書館に寄贈されました。当然ながらかなり古い本ばかりですが、今も書庫にはその多くが残り、中には保科五無斎の蔵書だったことがわかるものもあります。

このように、信濃図書館(もしくは信濃教育会)の寄贈印が、県立長野図書館が開館したときから共に時を重ねてきた証です。同時期には、長野市の書籍商店主である西澤喜太郎氏からも数千冊の資料を寄贈していただきました。

これらの本は貴重書ではありますが、利用される方から請求があったときにすぐ探し出してお渡しできるよう、購入図書と混ざる形で分類順に配架されてきました。

そんな「信濃図書館」資料と「西澤喜太郎氏寄贈図書」ですが、このたび新たな役目を果たすことになりました。3階「信州・学び創造ラボ」に設けられる、信州情報探索コーナーに別置します。分類ではなく時代を切り出した資料群として展示することで、草創期の県立長野図書館に想いを馳せるとともに、当時の世相を知ることができます。

次回ブログでは、実際の作業の様子をお届けしますね!

《次号へ続く》


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