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【休館21日目】100年の時を越え「信濃図書館」時代へ②

12月17(月)、休館中の営業日21日目です。

【休館20日目】100年の時を越え「信濃図書館」時代へ① の続編です。

 

「信濃図書館」資料と「西澤喜太郎氏寄贈図書」の拾い出しですが……いざ作業をするとなると、かなりの慎重さが求められることがわかりました

現在日本の図書館で一般的に使用されている分類方法は、「日本十進分類法」ですが、この内容が図書として発行されたのは昭和4年の8月です。そのため、同年4月から図書の受入を行っていた県立長野図書館開館時は、当然ながら当館独自の分類方法を使用していました。簡易な管理方法として分類の中で受入順に番号を付与することが選択されたのは不思議ではありません。各所から寄贈された図書と購入した図書とが混ざる形で分類内に配列されていたことは、前回のブログでお伝えしたとおりです。

当館が「日本十進分類法」への切り替えを開始したのは昭和43年です。それまで当館独自の分類で整理されてきた開館当時の寄贈図書もこの分類に組み込まれることになりました。

その際、必ずしもそれまでの受入の順序のとおりに番号が振られなかったため、番号順=受入が古い順とは言えなくなりました。また、図書目録の記述不足により確定できない本もあるので、アタリをつけたものを一冊ずつ目視で確認する必要があるのです。

 

作業は二人組で行います。ひとりは寄贈者と登録番号だけを抜き出した一覧表をもとに、目録原簿とすり合わせ、該当する本に目星をつけます。

もうひとりは現物を探し、内側を開いて「信濃図書館」や「西澤喜太郎氏寄贈」などの印があるか確認し、抜き出します。

 

抜き出した本は、データの変更を行います。通常の書庫保管表示から、特設表示へ。

和綴本は管理用バーコードを貼付していないため、一冊ずつ手打ち入力します。

 

データチェックを終えて、分類ごとに積み上げた山が日増しに大きくなってきました。こうして集めると、なかなか壮観です。どれもこれも明治期~昭和4年前後までに刊行された本ばかり。

図書館には予算やスペースの制約があり、出版される本のすべてを購入できるわけではありません。どんな視点で何を選ぶか、いつの時代も司書は頭を悩ませてきたのです。

だからこそ、図書館の収書には世相が反映されます。気象や災害は農産業の動向に直結し、事件や文化の背景には政治経済や外交事情が見える。社会のニーズと出版は連動し、図書館の蔵書構成とも密接に絡み合う。図書館の分類でいうところの1類(思想)、3類(社会分野)の厚みは、よりよく生きるための知識が貪欲に求められた時代の象徴でもありましょう。

遠い未来、県立長野図書館の蔵書が「平成」というテーマで切り出されたら、そこにはどんな本が並び、どんな時代であったと見た人に映るでしょうか。この先、書籍の電子化が進めば“紙の本の最盛期”といわれるかもしれませんね。

本を集め続けることは、未来への遺産です。個人の蔵書とは違い、図書館は数百年の時を越えて、そのときどきの時代風景を切り取り積み重ねることができます。県立長野図書館の草創期を支え、100年前の長野県の姿を見せてくれた信濃図書館や西澤喜太郎氏に感謝をこめつつ、これらの本にあらたな活用の道を拓きます

「信州・学び創造ラボ」オープンの際には、ぜひ信州の情報探索コーナーに足をお運びくださいね。

信濃図書館と西澤文庫が、時間旅行の扉を開けてお待ちしています。


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